俺らサンコイチだもんな【白鳥沢】 (ページ12)

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「はー！！いいお湯だった！！」

「大浴場、寮より広かったな。」

部屋に戻ってきて敷いてある布団にダイブすると、ホコリ舞うだろ！！と同級生から頭をはたかれる。

今回の合宿は学年ごとの部屋割りだから、2年は全員この部屋。気兼ねなくのんびりできて最高。

ゴロゴロしていると、賢二郎がバッグから何か取り出したのが見えて、思考が止まる。

あの大きさ。

も、もしやそれは………！！

「成人向け雑誌！？！？」

「……は？」

賢二郎の腕をガシッと掴み、持っていたものごとバッグから引き抜くと、見当違いのものが握られていた。

か…が…く？？

「………参考書かよっ！！！」

「いや、なんなのお前。」

本気で軽蔑したような目で見られる。

だって、こんくらいの本とか、絶対そうだと思うだろ！？なんだよ参考書って！！俺の知ってる参考書はこんな形態してねえ！！

肩を落とす俺を見て周りの奴らは大爆死。

「お前さいっこう！！！ブワッハッハ！！」

「ギャハハハ！！！！A、おまえ、川西ならまだしも白布が、んなもんもって来るわけないだろ！！！」

「おい俺はまだしもってどういうこと。」

……てか、恥ずかしい普通に。

確かによく考えれば、先輩達から回ってくるそういう雑誌は大体賢二郎は読まない。
それに今は合宿中だぞ？たとえ賢二郎が自室で…だとしても、こんな所に持ってくるほど馬鹿ではない。

やばい、怒ったかな。

「……なんか、悪かったな賢二郎。」

「そう思うならコーヒー買ってこい。」

こちらを見ずに、ポイッと500円玉を放られ、慌ててキャッチする。

「うっす！！オラ行ってくるっす！！！」

「何それだるw」

笑ってくれたので、とりあえず本気では怒ってないようで安心した。

賢二郎、下ネタ嫌いだからなぁ…。

自販機へ続く廊下を走りながら、自分の分も買っていいかなーと考えたけど、今度はマジ切れした賢二郎の顔が浮かんだのでやめておくことにした。

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