最近好きな白布先輩【白布賢二郎】 (ページ10)

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・それから2週間後

キーンコーンカーンコーン

「あー腹減った！！」

4限の古典が終わった途端、自分のカバンを漁りお弁当を引っ張り出す五色。そこから、いただきます！と手を合わせるところまで一連の流れをスムーズにこなし、幸せそうな表情で唐揚げを口に放り込んだ。

「……もはやプロのわざだよね。」

「うん……あ、そうだ。」

私も、お弁当とは別の保冷バッグの中からあるものを取り出す。

「ねえ、プリン作ってきたから、食べて。」

「「「ありがとう待ってました！！！」」」

食い気味でお礼を言われてたじろぐ。

「いやー、小泉忘れてると思ってたよ！！」

「…よく言うよ…あんだけ催促しといて。」

あの時、今度ね、とは言ったものの秒で約束を忘れた私に、五色と斉藤くんは１日に３回のペースで「プリンは？」と詰め寄ってきた。すごい鬱陶しかった。

プリンって、作るのは火加減さえ気をつければ簡単なんだけど、なにしろ持ってくるのが面倒臭い。耐熱ガラスで蒸すから重いのだ。

「やったーAのお菓子久しぶりだ！！」

「……久しぶりって言っても、先月スノーボール作ったよね…？」

あー、あれ美味しかったわ～。と言っているかおりん。ちゃっかりしてんなあ。

でも、私の趣味に付き合ってくれるのは正直助かっている。生産した分だけ自分で食べてたら、大変なことになる。体重が。

「これからもどんどん持ってきていいぞ！俺らで食べるから！」

「…ありがとう。」

ここで、携帯がメッセージを受信していることに気づく。誰だろう、と思って見てみると、

白布賢二郎今から教室行く

………え。……え？

白布先輩！？！？

ちよ、待って、LINE来てるの2分前だし、え！？

1人であたふたしていると、教室の後ろのドアがガラガラと開く。

失礼します、と小声で言って入ってきたのは、白布先輩、と、もう1人。

「………こんにちは。」

「こんにちは。」

「え？え！…こんにちは！！！」

「よー五色。」

私も驚いたが、私以上に五色が驚いている。慌てて挨拶しててウケた。

「…え、ど、どうしたんですか、先輩方。」

「いや、白布がこの子に用あるって言うし、俺はお前に伝言あったから、ついでに来た。」

「…伝言？」