最近好きな白布先輩【白布賢二郎】 (ページ45)

今日:20 hit、昨日:41 hit、合計:262,508 hit

44 ページ45

しばらくグスグスしていたけど、その間中先輩はずっと私の背中をさすってくれていた。

いい加減ウザいな自分、と思って離れると、先輩は私の顔を見て吹き出す。

「ちょ、やばいぞ。」

「マジで傷つくんで辞めてください。」

顔を覗き込んでくる先輩を必死に避けて両手で顔を覆うも、すぐに先輩に手を捕まえられてしまう。

うわ、手繋いでる。私。先輩と。

急に動きを止めた私を不審がっている先輩。

「どうした？」

「トキメキが止まりません。」

「ははは。」

いや、笑ってますけどガチですからね？

でも、珍しく破顔している先輩を見てまたキュンとする。こりゃあ末期だな。

「……じゃあ、付き合ってくれますか？」

「うん。…俺、部活忙しくて色々不快な思いさせるかもしれないけど、それでもいい？」

「そんなの余裕ですね。私、暇を極めてる女なんで、白布先輩が暇な時はいつでも会えますよ。」

自信満々にそう言うと、先輩も優しく微笑んでくれた。

そしてもう一度私を抱き寄せて、コツンと額を合わせる。ちっか。顔きれい。

「……ちゅーしたい。」

「……意外と積極的ですね、素敵です。……でも10秒くれたらリップ塗れます。」

「いらない。」

そう言うと顔を近づけて、軽く触れるだけのキスをした。音もなく唇が離れる。

「……目閉じてよ。」

「……先輩こそ。」

茹でダコのように真っ赤になっているであろう私の顔。……てか先輩の唇柔らか！！なんか私変態みたいだけど！！

もう一度先輩の顔が近づいて、今度は目を閉じて待つ。

また柔らかい感触があって、今度はさっきよりもちょっと長め。そして最後は、ちゅ、と音を立てて離れた。

「……は、ずかし。」

「…俺も。」

遠くで、後夜祭の始まりを告げる声がする。

行かなきゃいけない、けど、あともう少しだけ。

「……あと五分だけ。」

「…はい。」

そう言って、もう一度キスをした。

──────Fin──────