最近好きな白布先輩【白布賢二郎】 (ページ44)

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Aside

腕を引かれながら、なるべく最悪の展開を考えようと必死に頭をフル稼働させる。

ただ私が困っていたから助けてくれたっていうのがスタンダードな考え方だとすれば、私ごときに彼氏が出来るなんて腹立たしいという理由で、今後私に彼氏が出来ないように白布先輩が牽制を……あれ、どっちにしろ私に美味しい展開じゃないですか。

駄目だ。どうしても人間の心は都合のいい方に考えてしまうものだなあ、みつを！！！

ピタリ、と歩みを止めた先輩。だけど、こちらを振り返りはしない。

「……あのー、白布先輩？」

「…俺さ、この前、ムカついた。」

「え、すいません。いつですか？」

あれ、思ってた展開のどれとも違うぞ、と違和感を感じたけど、そんなこと言ってる場合ではない。

全くなんのことか分からないけど、私が先輩を不快にさせてしまったのなら申し訳ない。

「二口の話、した時。」

「二口君？」

あー、もしかして白布先輩は二口君のことがめっちゃ嫌いだったとか？そしたら無理に仲良くなることを勧めちゃったのは間違いだったな。

「それはすいませんでした。先輩、かなり二口君のこと嫌いだったんですね。」

「…いやまあ好きではないけど。…そうじゃなくて、なんか、Aの口からあいつの名前が出るのが嫌だったんだよ。」

「……は？」

私は混乱すると失礼な物言いをしてしまうらしい。いや、そうじゃなくて、

「さっきも、Aに付きまとってる奴見てイラついた。俺の彼女だって言いたかった。から、言った。」

いや、これはもう、自惚れなんかじゃない。

だって、もうすでに先輩の顔、真っ赤だし。

「…………先輩、それ……

……私の事好きですよね？」

「…………好きですけど？」

少しムスッとした顔で言う白布先輩。

あ、えー、かわ、えぇ…むり、ほん、ほんとに、えぇぇ、ちょっと、ま、１回まって。

「………。」

「………何か言えよ。」

「……あ、大好きです。」

何それ、と笑う先輩を見て、とうとう目からブワッと涙が溢れた。

「は？ちょ、何で？何泣いてんの！？、うわっ」

勢い余って、ガバッと抱きつく。

「うわぁぁぁん！嬉しいんです～！！てか可愛いぃ～！」

「はぁ？」

そう言いながらも、先輩は私の背中に手を回してくれて、余計涙が止まらなくなった。