最近好きな白布先輩【白布賢二郎】 (ページ41)

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「ほれ。」

「わーい！頂きます！」

白布先輩が作ってきてくれたパンケーキは、模擬店レベルと思えないほどフワッフワで美味しくて、かおりんとワーワー言いながら口に詰め込む。

「美味し～！！！上手ですね先輩！」

「Aに褒められたらそんな気がしてくるわ。」

「あ、お金…」

「いーよ、タピオカと交換ってことで。」

そういうことならいいか、と頷く。

教室内も風船やお花で溢れていて、これは世のJKに好かれそうだな、と納得。インスタ映えスポットもあるし。

「それじゃ、ごちそうさまでした！」

「おー、こっちこそありがとう。」

パンケーキも食べ終わってしまったし、名残惜しい気持ちを我慢して、手を振って先輩と別れた。

･

「あー、美味しかった。」

「本当にね。クオリティ高すぎ！かおりん次どこいく？」

「３年の劇見たい。」

3年生だけがやれる劇はかなり本格的に仕上げられていて、様々なジャンルの中からクラスごとにテーマを決めて演じられる。毎年好評で、学園のOBとかも楽しみにしている。

「じゃあ瀬見先輩のクラス行こうよ、女王様役の。」

「あー、五色達も言ってたしね！行こ！！」

こうして、瀬見先輩の劇を見に来たわけだが。

「まぁ！！なんて事！！この女を捕らえるのじゃ兵士達！！」

「女王様！お許し下さい！」

「黙らっしゃいこの泥棒猫！！我が王子をたぶらかしおって！！」

…………思っていたよりも迫真の演技。だけど、女装が雑っ！！！

瀬見先輩の女装のせいでシリアスな場面もどうしても笑いがこみ上げてくる。てかなんで瀬見先輩だけ女装なんだろう？周りの観客もみんな口を抑えて肩を震わせている。

「…キッツ……っフッ…。」

「…か、おりん…シーっ……。」

このクラスコメディじゃないよね？なんでこんな笑わせてくるの？

結局劇は、女王が王子に剣で斬られるというラストで幕を閉じた。腹筋吊りそうなのを我慢していたためあまり内容は頭に入ってこなかったけど。

その後も、他の3年生の劇を見に行ったり、中庭にライブを見に行ったり、模擬店を食べ漁ったりと、かおりんと初めての文化祭を満喫出来た。

今は一般のお客さんが帰らなきゃ行けない時間。後夜祭まで30分ほどあって、みんな教室で暇を持て余してダラダラしている。

すると、男の子が教室のドアからひょっこり顔を出して

「小泉さん、いる？」

え、私？

………誰？