最近好きな白布先輩【白布賢二郎】 (ページ32)

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「…で、どうしたの急に。」

「…………えーっと、ですね。」

やったわこれ。
私のバカめ。どうして頭の中がゴチャゴチャのまま白布先輩に会いに来てしまったんだろう。

私が白布先輩を連れてきたのは中庭。

白鳥沢学園の中庭には、立派な噴水とオブジェ、綺麗に花が咲く花壇といくつかのベンチ。
私達はその中のひとつに腰掛けていた。

「…あの！いくつか質問があるんですけど、いいですか！」

「うん。いいよ、何？」

白布先輩は私の奇行にも落ち着いたままで、優しく話を聞いてくれる。

…もう言っちゃおうかな、気になるし。

「先輩って彼女いますか！？」

「え。」

しばらく固まる表情。あ、これはもしや。と悪い予感が頭をよぎる。けど、

「いないよ。」

その返答に思わず安堵し、息を吐き出す。

油断するな、A。まだまだ気になることはたくさんあるのだ。

「………えっと、じゃあ、……黒髪の清楚系はタイプですか！？」

「ん？www」

随分ピンポイントだね、と笑っている先輩。

待て、何を言っているんだ私は！！！そうじゃないだろ！先輩のタイプは今関係ないだろ！

「んー、そうだな。嫌いではない。」

「そ、うですか。じゃあ…………。」

ゴクリと喉を鳴らし、言うか言わないか迷ってしまう。いやいや、これを聞くためにここに来たんだろう。

スウっと息を吸い込んで、落ち着いて話し出す。

「……先輩は、私の事、どう、思ってますか。」

「………え。」

白布先輩は私から視線を逸らし、難しい表情をして黙り込んでしまった。

その間私の心臓は破裂するんじゃないかってくらい激しく動く。

多分数秒だったけど、私には何倍もの時間が経過したように思えた。

「……良い子だと思う。」

「…へ？」

「礼儀正しいし、面白いし、お菓子美味しいし。可愛い後輩だと思ってる。」

その言葉を聞いて、嬉しいと思うと同時に、胸がチクッと痛む。

その痛みで私は、やっと、やっと自分の気持ちを認められた。

「……この前、友達と買い物に行ったんですよ。夏休み最終日。」

「へー。」

「そしたら、白布先輩のこと見かけたんです。」

「え！？そうだったの？」

「はい。それで、その時白布先輩、女の方といらっしゃったので色々聞いちゃいました。」

あー、そうだったんだ、と白布先輩は1度納得してから、何かに気付いたように動きを止めた。