最近好きな白布先輩【白布賢二郎】 (ページ21)

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「あ、そういえば聞いたんだけど、小泉さんってお菓子作るんでしょ？」

「はい、まあ…。」

聞いたっていうのは白布先輩から！？それとも五色から！？

「なんか、すごい美味しかったって言ってたよ。桃のやつ。」

ぃよっしゃっ！！！！！白布先輩だ！！！あ、別に五色に美味しいと言われて嬉しくないわけではないけど、嬉しさレベルが違うんですよ。

しかも、こうやって他の人から聞く好評価は特に嬉しい。お世辞じゃないから。

あー、私今空飛べそう。たぶん飛べるわこれ。

「それはなによりです……。」

「大丈夫？wふわふわしちゃってるけど。あ、教室着いたよ。」

おお、いつの間に。

川西先輩はノンストップで教室の中に入っていき、私は小声で失礼シマースと言いながら、その後をちょこまかとついて行く。

これ、川西先輩がいてくれて良かったわ。1人で2年生の教室になんか絶対入れないし、声もかけれないわ。

窓側の方の席に行くと、白布先輩特有の綺麗な髪の毛が目に入る。寝ているようで、机に突っ伏していた。

「おーい白布。」

「…………ん。」

「小泉さん来てるよ。」

「……ん。…ん？…え！？」

ガバッと急に起き上がったので、こちらがビクッとしてしまった。白布先輩はパチパチと瞬きを繰り返している。可愛い。

「A？え、どうした？」

「あ、新聞渡そうと思って。」

「速っ！！！！」

昨日の今日で……と、私からファイルを受け取る。

「わざわざ来てくれなくても、連絡してくれれば俺が取りに行ったのに。」

「いやいや、何ですかその超偉そうな後輩w」

社会のルールとしてありえないわ。

…よし、名残惜しいが、用も済んだし、美しいお顔も拝めたし、

「じゃあ、戻りますね。」

「うん。…わざわざありがとう。」

ぺこっと頭を下げて教室を出ようと歩き出すと、

「あ、小泉さーん。」

川西先輩に呼び止められた。

「？」

「今度俺にもお菓子作ってきてよ。白布用の余りでいいからさ。」

「え？あ、はい！分かりました！」

失礼しました、と言って2年4組を出た。