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「かおりん、飲み物買いに行こう。」
「うん。もう下降りちゃおうか。」
応援も終わったことだし、バスが出るのはあと30分後くらいだろう。誰も試合をしていない体育館の観客席にいても暇なだけなので、久々の仙台市体育館の探検にでも行こうか。かおりんは着いてきてくれないと思うけど。
「あ!小泉!香織!」
「あー五色だ。お疲れ様。」
「おう!応援ありがとう!!」
下に降りて自販機に着いたところで、ちょうど試合を終えたばかりの五色に遭遇した。
五色の他にも、白と紫のユニフォームを着たデカい人達がまばらに固まっている。
「かっこよかったね、五色。」
「え?まじで?どんな所が?」
どんな所と聞かれても、説明出来るほどのボキャブラリーを持ち合わせていない。余計なこと言わなきゃよかった。
「えー?うーんと、…コートの線ギリギリに、こう、バーン!てぶち込んだ強いヤツ!」
「キレキレストレートか!!」
照れている様子を見る限り、なんと、今ので伝わったらしい。
あれはな、アンテナとブロックのわずかな隙間を針に糸を通すような感覚で……ナンタラカンタラ。
色々説明してくれているが全く分からない。アンテナって何?電波とか察知するの?
「あれれー?工〜お友達??」
急に声がしてビクッとして振り返る。
……あ、この人試合出てた。赤い髪の人。
「ゲッ、天童さん…。」
「先輩に向かってゲッ、はナシでしょ〜。なになにー?どっちが工の彼女?」
「「こっちです。」」
私とかおりん、お互いに指をさし合う。
「グッ、ブワッハッハッハwwwは、つ、工、お前の彼女は嫌だってwwwヒィィィw死ぬぅぅww」
「ちょ、お前ら!!!」
五色の彼女に間違えられるなんて心外だ。という思いはかおりんも同じだったようだ。
天童さんの遠慮のなさすぎる笑い声によって、白鳥沢の人が数人近寄ってきた。
「どーした、天童……ん?誰?」
「工の彼女達らしいよwww」
「いや違うんですけど。」
新たに現れたこの人こそ私でも知っているほど有名人、瀬見さん。
3年の中でも目立つ部類の人だからか、いたるところで名前を聞く。
あ、とここで気付いた。
集まってきた人達の中にあの人がいる。えっと…白布先輩。
ふと目が合ったけど、秒速で逸らしてしまった。
「この2人は、普通にクラスの友達の小泉Aと佐藤香織です。」
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りん(プロフ) - 華火さんの作品全部好きです! (2022年9月30日 22時) (レス) id: b7d34262d6 (このIDを非表示/違反報告)
食塩 - 最高です。 (2022年7月19日 23時) (レス) @page46 id: 18e815367f (このIDを非表示/違反報告)
華火(プロフ) - むーむーさん» デスよね!!ありがとうございます!! (2020年3月14日 21時) (レス) id: 547328387d (このIDを非表示/違反報告)
むーむー - 白布君かっこかわいくて最高です!!!! (2020年2月14日 22時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)
華火(プロフ) - よたこさん» 分かるぅぅぅ、ます (2019年8月26日 23時) (レス) id: 6592ed4643 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華火 | 作成日時:2019年2月1日 23時