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そして、翌日。
「…はい、じゃあ今日はここまで。今やった応用例題は頻出だから必ず復習しといてね。」
4限目の数学が終わり、例のごとく五色プロはお弁当にありついてる。…寮生用に支給されるお弁当って、めっちゃくちゃ美味しそうなんだよね。えげつない量だけど羨ましい。
……さてと。…時は来た。
白布先輩にはあらかじめ、昼休みに会いたいという旨のLINEをしてある。
「…かおりん、私、行ってくるよ!!!」
「え??何?行ってらっしゃい。」
…どこに?というかおりんの声を背に、教室を出る。場所は3階の渡り廊下。
柄にもなくドキドキしながら階段を登る。1年生の教室は2階で、2年生は3階なので先輩の方が早く着いているかもしれない。
待ち合わせ場所に着くと、私の予想通り、白布先輩はすでに渡り廊下の真ん中らへんで、壁に寄りかかってスマホを触っていた。
え、絵になる〜〜…。
「…白布先輩。お待たせしました。こんにちは。」
「お、小泉さん。こんにちは。今日はどうし……、あ、もしかして、それ…!」
白布先輩は、私が手に持っている保冷バッグを指さして、期待に満ちた目で見つめてくる。
「桃のクラフティてす。」
「本当に作って来てくれたんだ…。マジで嬉しい。ありがと。」
フワリと笑う先輩。キレイすぎて刺激強いっす…。
心臓破りの白布先輩の笑顔を頂けてなにより。味大丈夫かな…。一応味見したんだけど、普通に美味しかったんだけど、不安になる。
「多分大丈夫だと思うんですけど、もし美味しくなかったら無理して食べないで下さいね。」
「いや、これ絶対美味しいよ。」
私が渡した保冷バッグを開けて中を覗き見ている。確かに、普段はちょっと失敗したくらいのものならかおりんにあげちゃうけど、白布先輩となると話は別である。かおりんごめん。
「それじゃ、戻りますね。あ、保冷バッグはいつでも大丈夫なんで、今度会った時に。」
失礼します、と教室に戻ろうと踵を返す。
「あ、まって、小泉さん。」
「?」
引き留められて振り返ると、なんだか慌てている先輩。えーっと、とかそのー、とか言葉を探している。
「…あの、さ。もし良かったら、これ一緒に食べない?…ていうか、一緒にお弁当食べない?」
嫌なら全然いいんだけど、と後から付け加えられたけど、え、なに?私?お弁当?
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りん(プロフ) - 華火さんの作品全部好きです! (2022年9月30日 22時) (レス) id: b7d34262d6 (このIDを非表示/違反報告)
食塩 - 最高です。 (2022年7月19日 23時) (レス) @page46 id: 18e815367f (このIDを非表示/違反報告)
華火(プロフ) - むーむーさん» デスよね!!ありがとうございます!! (2020年3月14日 21時) (レス) id: 547328387d (このIDを非表示/違反報告)
むーむー - 白布君かっこかわいくて最高です!!!! (2020年2月14日 22時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)
華火(プロフ) - よたこさん» 分かるぅぅぅ、ます (2019年8月26日 23時) (レス) id: 6592ed4643 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華火 | 作成日時:2019年2月1日 23時