最近好きな白布先輩【白布賢二郎】 (ページ2)

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「今週の土曜日にインターハイの県予選があります。学校から会場までバスが出ると思うんで、都合の合う人は是非応援よろしくお願いします。絶対に優勝します。」

一礼した五色にクラスメイトは拍手を送る。

今は、朝のHR中。
もはや恒例と言っていいほどの、男バレの試合前の宣伝。
先生が促すのだ。「あ、男バレ今週大会か。じゃあ五色から一言。」みたいに。

意外にもしっかりとした口調で役目を果たした五色は席についた。その五色の背中をつついて聞いてみる。

「ねえ、五色って試合出てるの？」

「おう。小泉も応援来てよ、勝つからさ。」

「んー、行ってみようかな。」

本当に！？と五色は喜んでいるように見える。

五色とは、席が前後になってからよく話すようになり仲良くなった。

「Aが行くなら私も行くー。」

かおりんも行くならなおさらだ。かおりんは私の隣の席。私のソウルメイト。だいすき。

さっきの宣伝も然り、バイトがないことも然り、普段は天然な五色の、バレーに対する意外な一面を見てみたいという思いもあって、応援に行くことにした。

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「……意外な一面すぎない？」

「…目の錯覚で五色がかっこよく見える。」

誰だっけ、あのおかっぱ頭。本当に五色？

バレーのルールなんて体育の授業レベルしか理解出来ていないけど、とりあえずすごい、五色すごい。

そんで五色よりすごいのが牛島先輩。なんだあれ本当にヒト？何か別の哺乳類じゃない？

バレー部パないな。私の語彙力もパないけど。

……あ、あの人委員会一緒だ。なんだっけ、セッター？

月に一回集まるだけ集まってほとんど仕事のない新聞委員会で、私の斜め前に座っているあの人。印象的だったからよく覚えている。主に前髪を。

入学から2日でムダに完璧に歌詞を覚えた校歌を、音痴がバレない程度の声量で歌いながらも、目で追ってしまうのはトスを上げているその人。

「あの人なんかキレイじゃない？10番。」

「あー白布賢二郎さん？有名だよね。」

たしかにAの好きそうな顔してるね、とかおりんが言う。

有名なんだ。全く知らなかった。

ぽけーっと眺めている間に試合は終わっていた。無事に勝ったようだ。
これで、全国大会への切符を掴んだらしい。
私たちのいる観客席へ1列になって頭を下げる選手達。顔を上げた五色と目が合い、手を振ると満面の笑みで振り返してきた。