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「……そっか。……うん。…まあ、分かってた。」
「分かってた?」
「うん。好きな奴いること。…あと、それが誰かもだいたい分かる。」
「………」
え、何故わかる?
私ってそんな分かりやすい方ではないと自分では思っているんですけど。
「…まあ、うん。……あー、畜生。……とりあえず、これからも普通にして欲しい。俺、花巻のこと好きだけど、友達としても面白いからさ。」
「それはむしろこっちがお願いします。」
戸田はありがと、と軽く笑った。
「そんじゃ、後でな。」
「うん。」
戸田が戻って行った方を見ながら改めて考える。
私、今バスケ部のイケメンエースを振ったよな。
あんないい人、私には勿体なさすぎる。私なんてさっさと忘れてもっといい人を見つけて欲しい。
後ろで、ジャリ、という砂を踏む音が聞こえて、振り返り、予期せぬ人物に驚く。
「………よう。」
「…白布。」
こっちに寄ってきて、蛇口をひねり顔を近づけているところを見ると、普通に水を飲みに来たらしい。
色々聞きたいけど、何となく喋りづらい雰囲気で、言葉が出てこない。
白布が、蛇口を捻り水を止めた。
「……なんで、振ったの?」
「……え。…聞いてたの?」
心臓の音がおかしいくらいに速い。
さっきの戸田との会話が蘇る。どこから?どこまで?
「いや。今さっき爽太に直接聞いた。こっち来る時すれ違った。あっちの水道場混んでてさ。」
「…あー、なるほど。」
他にも水道場はあるけど、どこも混んでて体育館の方なら誰もいないと思ったらしい。確かに。
「…爽太は、他に好きな人がいるって言われた、って言ってた。」
「…っ。」
おいおいおい!!!お喋りすぎだぞ戸田!!!私が白布好きなの知っててわざとやってんな!?
「……ねえ、A。誰が好きなの?」
「えっ…………い、えない……。」
「言えない?何で俺には言えないの?」
グイッと私に近ずき、右手を握られる。
顔が一気に熱を持つのが、自分でも分かる。
「ちょ、白布…近いっ…。」
「別に普通じゃん。ねえ、答えて。」
その時、男子生徒達の声が聞こえてきた。
「あははは!それはヤバい!!」
「でさ、俺が走ってる時もさー!!……」
おー………、これは、こっち来る。
「……チッ……こっち来て。」
「え、…え?」
白布に腕を引かれて、体育館裏へと連れて行かれた。
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ヲタク - 白布ツンデレ感あって可愛いまじで白鳥沢のなかで個人的に最推し。読んでてすっごい幸せでしタァ(*///´_`///) (2022年10月18日 22時) (レス) @page22 id: 8aaf6ce381 (このIDを非表示/違反報告)
つーぼ - 白布賢二郎、ツンデレ代表だから彼氏にしたいナンバーワンでもあるけども、ぉぉおおおおおおしぃぃいいがァァァ (2020年8月11日 23時) (レス) id: f4d4b73c32 (このIDを非表示/違反報告)
神奈川県って存在薄くね?神奈川県民より - 麗羽さん» それな (2020年3月14日 2時) (レス) id: 2ec1bda221 (このIDを非表示/違反報告)
華火(プロフ) - 卯月さん» 嬉しい限りです!!本当にありがとうございます!頑張ります!! (2019年5月5日 19時) (レス) id: f57a061106 (このIDを非表示/違反報告)
卯月 - 素敵な作品をありがとうございます!最近はあまり見れてなくて、久しぶりに見たら完結していて、最後まで一気読みしちゃいました!本当に夢主ちゃんと白布さんが可愛いくて、川西君に瞳ちゃんに兎に角皆大好きでもっとHQ が好きになりました!これからも頑張って下さい! (2019年4月21日 23時) (レス) id: ac010926fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華火 | 作成日時:2018年10月27日 0時