白鳥沢マネは出来るヤツ２【白布賢二郎】

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その後も、綱引き、1年生100m走、借り物競走と順調に競技は進んで行き、いよいよ部活動対抗リレーの召集がかかった。



部活動対抗リレーは、男女別で行われる部活単位のリレーである。エントリー制なので、ほとんどが足に自信のある運動部なんだけど、たまーに文化部がふざけてエントリーしていたりする。今年も弦楽部と物理部が申し込んでいるらしい。




もちろん、男子バレー部も出場する。
3位以内に入れば表彰もされるし、何よりめちゃくちゃ目立つ。



「っしゃー！勝つ！！」


気合入ってるなぁ、瀬見さん。
この部対抗リレーには、バレー部は3年生も出場する。

3年は自由参加だけどそれは受験勉強が忙しい生徒のため。まだ引退していない部活の3年生は、むしろ参加したくてしょうがないくらいだ。




「まあ1位は陸部に譲るとして…野球部と2位争いだな。」



タスキをかけている山形さんはチラリと野球部の方をうかがう。こう見えてアンカーだ。

何言ってるんですか！1位狙いましょうよ！と五色は騒いでいるが、確かに陸部には勝てまい。我が校の陸上部は、それはそれは強くて有名だ。



「サッカー部も速いんじゃないですか？」


「いや、ならバスケだな。」




6人で行われるため、バレー部では五色、川西、白布、瀬見さん、牛島さん、山形さんが走る。順番決めが面倒だったらしく、学年順らしい、


大平さんと天童さんは応援専門がいいらしい。






「そろそろ入場しまーす！！！」

生徒会の人が声を張り上げる。




「それじゃ、頑張ってください。」


「おうよ、任せろ！」



リレーに出ない部員は、部活ごとに集まって応援をする。かなりの大所帯であるバレー部が1箇所に集まってメガホンで声を張り上げれば、ものすごい迫力だ。もし私が他人なら逃げる。





「いや〜楽しみだなァ〜！工、転ばないかなァ！」


「……あはは。」




転ぶことを願われてる五色を不憫に思う。
第1走者の五色がレーンの上に立つ。




「位置について、よーい……」




パンｯ、パンｯ





「ん？」



……2回鳴った？






「ブワッハッハッハッ！！！！！フライングした！！！工が！！！ヒーーーー！！！！」


「裏切らないですねーww」






まさかのフライング。しかも自分だと気付かずにキョロキョロと周りを見渡している。面白すぎるだろ。

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