【ハイキュー】推し=嫁【青葉城西】 (ページ10)

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推しが尊い ─10─ ページ10

朝練が終わって教室に入ると、机に伏せているAがいた。

ちょっと引きながらも、鞄を自分の席に置いてAに近づく。

「ど、どうしたの…？A」

『…………』

「お、おーい…？」

何を言っても顔を伏せ続けるA。

困っていると、Aの友達である星乃ちゃんが話してくれた。

「Aね、ガチャで推しが出なくて落ち込んでるの」

「ガチャ…？委員長にしてもらってたんじゃないの？」

「委員長、謎の熱で当分休むらしいよ、何だっけ……ナカニシ？」

『中原中也だわ、ボケ』

「怒んなよ。ごめん」

星乃ちゃんが間違えたのが気に触ったのか顔を思いっきり上げた。

ちょ、何その顔。放送事故並みだよ。

「因みに何回引いたの？」

『11連で10回は余裕で引いた』

「いや、引きすぎだろ」

それだけ引いて出ないとか嫌われてるんじゃない？

はぁ、と溜息をつきまた沈んでいくAの身体。

「あ、ねぇ…俺が引いてみてもいい？」

そう言えば、はぁ？？と何言ってんだこいつ感を出された。

そんなに拒否らなくても、いいじゃんか。

「及川君、運持ってるかもよ？」

『持ってるわけねぇだろ。こいつ疫病神だよ？』

「ひどい！！」

あ、でも……と考え込むA。

そして、スマホを俺に差し出してきた。

『一回だけだから』

「えっいいの？」

『この際誰でもいいから梅雨中也を出して』

つゆ…？よくわかんないけど11連ガチャをしてみる。

これで出てこなかったら殺されそう。

不安で溢れている時、画面にTAPと出てきた為言われた通りにする。

すると、紫？色の月が出てきた。

『はぁ、また紫か……………………え？』

「え？」

Aが何故か固ま理、一ミリも動かなくなってしまった。

更に不安が増すも、がチャの結果がどんどん出されていく。

そして、一番最後に"汚れちまつた悲しみに"と画面に表示され、橙色の髪の人が出てきた。

「ね、ねぇ、これでいいの？」

『……』

「……？A？」

反応がないAの方を向くと、

「死んでる」

「えっちょっと！？A！！？」

また顔を伏せていた。