推しが尊い ─6─ ページ6
「わわっ、A泣かないでぇ！？」
「Aさん撫で撫でしてあげる」
「泣くなって。な？」
「あー、ほらこれで拭け」
男子高校生四人が蹲っている女子高校生を囲んでいる。
なんて、地獄絵図なんだろう。
ほら、今男の子に変な目で見られた。言わんこっちゃない。
『うぅ……轟きゅん…かっちゃん…いずく君』
「及川ーお前のせいだかんなぁ」
「ごめんね、A…及川さんがちゃんと見てなかったから…」
『ばか』
「ほんとクソだな。オメェがAに言い出しといて」
「今回は俺が悪かったです！」
「今回も、だろ」
「ちょっと！？」
及川が責められているのを止める気もしないし、する気もない。
私の頭の中はヒロアカのみだ。
はぁ、とため息をついているとピロンッとスマホが鳴った。
ロックを解除して、Lineを開く。
相手はお父さんで何の用なんだろうと見てみると…
『えっ』
「ん？どうした？」
『ちょ、岩ちゃん私先に帰るねっ！』
「……は？」
『じゃあねっ！！』
「あ、おい！」
岩ちゃん達が何か言うが聞かず、家に直進した。
走って家に駆け込み、リビングにいるであろうお父さんに会いに行く。
『お父さんっ！！』
「A！！そんな笑顔でパパを迎えてくれるなんてっ！母さん、今日は焼き肉だなっ！！」
『ヒロアカっ！！』
「そっちかい！？」
しょぼくれているお父さんを余所目に、ヒロアカのグッズを探す。
すると、お父さんの近くに大量のグッズがあった。
「Aが好きなのはこれだろう？パパ頑張っちゃったぞ！」
『お父さん大好きっ♡』
「パパも大好きっ！」
ヒロアカのグッズがたくさん。
もちろん、A賞のポスターや、ラストワン賞まで。
お父さん、仕事で色々とまわってるらしいから、コンビニでしてるのに気づいたらしい。
それで、私に内緒でくじをやったんだって。
「ほら、そんな茶番やってないでAちゃんも用意して？」
『今日は外食なの？』
「ええ。焼き肉に行くんでしょ？」
「Aは焼き肉が好きだろ？」
『大好き♡』
「パパも好き〜！」
こんな親だが、私の家庭は結構なお金持ちだ。
お父さんは心配性で、彼氏を作るどころか、男子と喋ることすら許してくれない。
だから、バレー部のマネージャーになりたいと言ったときはお父さん暴れてたなぁ。
お母さんはすっごい笑顔で見守ってたけど。
「A美味しいかい？」
『うん！』
「そっかぁ〜」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 575人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琥珀糖 - 自分の知ってるキャラ出るとテンション上がりますね！ (2021年9月13日 0時) (
レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き！！(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！ (2020年4月13日 9時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - うわ、凄い作者様と趣味が合う気がします… (2020年1月28日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - 今日読ませてもらいました、めっちゃ、すっっごく面白いのでこれからも更新頑張ってください!!! (2019年9月9日 7時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 出ない梅雨の中也が(´；ω；｀) (2019年7月13日 19時) (レス) id: d1e84853e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
