【ヒロアカ】貴方に依存。【文スト】 (ページ29)

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愛が二十九個ページ29

漸く見えてきた敵組織の拠点に舌なめずりをする。
拠点の前に車をつかせ、私はゆっくりと見を下ろす。

『貴方は此処に居て。すぐに帰ってくるから』

「御意。お気を付けて」

深々と頭を下げる部下を流し目で見て、敵組織に乗り込んだ。
古びた扉を押して中に入れば、大勢の男が中で寛いでおり、私が入ってきた事に驚いていた。

「これはこれは…首領補佐の有島様、どうかなさいましたか？」

『媚び売るき？あんた達の横領は知ってんのよ』

そう云えば、何故判ったのかとでもいうような顔で私を見つめてくる。
そして、私に銃を向けてくる。

『 …私を殺す？』

「バレたなら仕方ありません。貴方には人質になってもらいます」

『私を人質にしても、首領は動かないと思うけど』

「私達の情報源を舐めないでくれますか？貴方達がどんな仲かぐらい知っています」

カチッとこめかみに銃を当てられる。
仕方なく両手を上げ、降参だと思わせた。

「おや、聞き分けが良いですねぇ…おい、持ち物を全部此方に持ってこい」

「うすっ」

決して銃を離すことなく、部下を動かす。
そういうところは頭を使うんだね。

でもね、

『雑魚を向かわせたのはあんたの失態ね』

「ガッ！！」

近づいてきた男を蹴飛ばし、銃を持つ手を回し蹴りをかわして、銃を飛ばす。
男が唖然としている間に、後ろの男共に飛び移り、大鎌で首を刎ねる。

「っおい！銃で応戦し──『遅い』っな！？」

銃を出す瞬間、首を掻きとる。
絶望に染まる全員の顔。

『喧嘩を売ったのはあんた達だよ？』

そう云い、また大鎌を振った＿＿＿。

数分もすれば、辺りは真っ赤。

「 …本当に怖いですね。流石、死の黒ずきんです」

男は、パチパチと手を叩きながら此方に歩み寄って来る。
私は男に大鎌を振る……が、

「ですが、大鎌が無ければ只の女性」

『っち… 』

何かが大鎌を弾く。
その衝動で手から離れてしまった大鎌、そして手に糸状の物が巻き付けられ上に吊るされる。

「私の異能力は糸を操るもの。刃物でも切れないほど頑丈なんですよ」

『そんな自分の情報、曝け出していいの？』

「別に構いませんよ。貴方には最終的に死んでもらいますから」

…なるほど。
首領が万が一、此処に来たとしても私はその前に死んでるってことね。

あァ、エリスが待ってるのに。