【ヒロアカ】貴方に依存。【文スト】 (ページ27)

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愛が二十七個ページ27

『 ────……ふう』

懐かしい資料を閉じる。
改めて思えば、この日から首領はこの世界が嫌いになったんだっけ。
仕方ないか。ヨコハマが消されかけたんだし、この時、エリスが怪我しちゃったしね。

『太宰が居なかったらどうなっていたことか』

更に被害は広がっていただろう。
想像しただけで悪寒が走る。

顔を歪ませていると、コンコンと扉の叩く音が聞こえた。

「 Aさん。芥川です」

『芥川君？どうぞ』

失礼します、と中也とは大違いの礼儀正しく入ってきたのは私の部下だった芥川君。
手には私が渡した書類が握られている。

「書類を持って参りました」

『ありがとね。……芥川君』

「はい」

じっと彼の顔を見つめるけど、彼は私の顔を見ようとしない。
グイッと顔を無理やり向けさせ、視線を合わせる。

………やっぱり。

『最近、寝てないでしょ？何徹目？』

「僕(やつがれ)は寝ています」

『あ"？』

「 ……………五、です」

少し殺気出したら、渋々と云った感じで教えてくれた。
ゴホッゴホッと咳を溢す芥川君に今日は休むように云う。……が、

「僕は平気です！之くらい何とも… 」

『駄目。倒れたら元も子もないでしょ？』

「し、然しまだ任務が… 」

『私が代わりにしとく』

「然し……」

『聞けっつってんだろ』

「 ……はい」

顔に僕はまだやれますと書いている芥川君を、寝床に引っ張り寝かせる。

「あっあの、Aさん…な、何故此処へ連れてきたのですか」

『え？寝かせるためだけど？』

困惑している芥川君に、帰ってきて居なかったらケエキ食べ放題に連れて行くからね、と云って大人しくさせる。

『別に同い年なんだから、敬語じゃなくていいんだよ？』

「同い年でも、貴方様は裏幹部です。僕が敬語無しで話しかけていい方ではありません」

『お硬いねェ、龍ちゃん』

龍ちゃん…！？と驚いている芥川君の頭を撫でる。

『首領には私から云っておくから、ゆっくり休んでね。おやすみ』

「 ……は、い」

矢張り余程疲れていたのか、すぐに寝付いてしまった。
私は音を立てないように、部屋を後にした。

『敵組織の壊滅か』

さァ、愛しき人に会いに行こう。