【ヒロアカ】貴方に依存。【文スト】 (ページ26)

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愛が二十六個ページ26

「異能力【人間失格】」

これは触れた異能力、個性を無効化する能力。
太宰は異能力を発動させ、男性の肩に手を添えた。

「あ"あ"あ"ぁぁああ"あ"ぁぁあ！！！」

大きな悲鳴を上げ、力が抜けるように地面に倒れる男。
然し、無効化できたのは男一人だけで他の住民はまだ荒れ狂っている。

「 ……これは困ったね。首謀者を炙り出さないと」

『こんな荒れ狂う住民の中から？』

「じゃないと無効化出来ずに、ヨコハマが潰れる」

上司である太宰に敬語を使わず、ただ眉を顰めるA。
ただでさえ、住民は多いのに、この中から一人だけ、容姿も判らない奴を探せなど無理難題だ。

『 …特徴とか無いの？』

「今の所そういった物はないね。あとで、森さんが持ってきてくれると思うけど」

『へぇ』

兎に角、今は感染していない住民の避難をA達に。
太宰は感染してしまった住民の無効化に。

そう部下に指示をして、行動に移った。
然し＿＿＿＿＿

「不味いねェ……人が多すぎる」

太宰が予想していた数よりも多い人々。
ただ唯一救いなのは感染していない人達が居ないことだろうか。

「森さんまだかな」

感染者に触れ、次々と無効化させていると、ピロンッと携帯の音が鳴る。
太宰は内容を確認すると、薄く笑った。

すると、太宰の目の前に現れる黒い外套。

「お帰りA。避難は？」

『ちゃんとやった。首謀者の情報はある？』

「勿論。青髪の灰色の目だ。近くに居るはずだよ」

『私が行くの？』

「 Aがちゃんと捕まえれたら＿＿＿＿＿＿＿＿＿」

太宰の言葉と同時に、Aは走り出した。
否、正確には家々の屋根の上に飛び乗り、走り去った。

「森さんのこととなると仕事が早いね」

そして、十数分後。
Aが首元を引っ張りながら連れてきたのは首謀者と思われる男。
仕事が早い、と感心している太宰の前に雑に放り出すA。

『さっさと無効化して。首領に会いたい』

「はいはい。これじゃあ何方が上司なのか判らないよ」

太宰かま気絶している男に触れる───。
その瞬間、人々に自我が戻っていった。

直ぐに終わった災難。
これを考えたプロヒーローはAが殺した。

けれど、死者の数は数万を容易く超えていた。
誰もが悔やんだ災難だったのだ───。