【ヒロアカ】貴方に依存。【文スト】 (ページ25)

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愛が二十五個ページ25

___これは数年前

＿＿＿＿＿太宰治がまだマフィアを抜けていなかった時である。

在る日、ヨコハマに男の一人プロヒーローが現れた。
彼はプライドが高く、自分よりも目立つモノが嫌いだった。
それと同時に、自分に従う弱い存在(無個性)が好きだった。

彼は無個性が好き。けれど、無個性が集まるヨコハマは嫌い。
自分に従わないからだ。
何をやったって言う事は聞かず、その上、返り討ちにされてしまった。
彼は考えた。どうしたら従うのかと。
結果、ヨコハマごと無かったことにすればいいことに気づいた。

プロヒーローとしての立場を利用して、確保した敵(ヴィラン)をヨコハマに放つ。
そこへ、自分が助けたように偽装する。

自分が手を下さず、逆に褒め称えられるようにした。

彼は良い個性の敵を確保するまで完璧な計画をたて、今か今かと待ち構えていた。
そして、やっと良い個性の敵を捕え、実行する時が来た。

ヨコハマに着けば、他の県とは然程変わらなく、学生やサラリーマン達が通勤していた。
男は何も考えず、ただこの街が無くなるのを願い、敵を放った。
そして、自分の身を守る為、来た道を返したのだ。

＿＿＿＿＿ヨコハマは地獄絵図化していた。

プロヒーローが放った敵の個性。
それは＿＿＿＿＿精神を狂気化するものだった。
個性の中でも厄介な精神系個性。
そんな危険なモノが今、無個性のヨコハマで暴れまくる。

勿論、ポートマフィアにも武装探偵社にもこの事は直ぐに耳に入った。
二つの長は誰よりもこのヨコハマを愛している。
この事件を何としてでも終わらせる為に、構成員を出動させた。
その中には、太宰治の補佐であったAも同様で、
外の世界は昨日見たヨコハマとは目を疑うほど違った。

泣き叫ぶ人々。

家族の狂うすがたをただ見つめる人々。

目の焦点が合っておらず、人形のように周りの人々を殺していく人。

無個性の彼らは何も判らず、操られているのだ。

人を殺すことに慣れていたAでさえも、言葉を失った。
ただ、彼らが思ったことは一つ。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿早く止めなければ、ヨコハマが潰れる。