【ヒロアカ】貴方に依存。【文スト】 (ページ24)

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アイが二十四個ページ24

「うふふっ」

椅子に腰を掛け、手を組む男＿＿＿＿森鴎外は笑みを零した。
同じ室内にいる少女＿＿＿エリスはそれを訝しく見つめている。

「随分機嫌がいいのう。何かあったのかえ？」

扉を開けて入ってきたのは、着物を着た和風美人＿＿＿尾崎紅葉。
彼女も鴎外の事を訝しく見つめた。

「おや、紅葉君。仕事は終わったのかな」

「茶化すでない。まァ私(わっち)と其方の仲じゃ。どうせ、Aのことじゃろう？」

「うふふ…君にはお見通りだね」

笑っている鴎外から目を離し、袖を口元に当てる紅葉。
エリスは二人の会話を聞かず、床にAを描いている。

「全く、其方の考えがよく判らんのう……態々傘下の小娘を秘書などにしおって…闇に染まっていない箱入り娘じゃろう」

「そうだねェ……書類の種類別も出来ないし、エリスちゃんのお世話も出来ない…その割には口答えをするしね」

「なら尚更じゃ。何故側に置いといた？何も利益(メリット)が無かろう？」

紅葉が問いただすも、鴎外は何も答えようとはしない。
しーんと静寂が訪れる。そんな中、口を開いたのはエリスだった。

「リンタロウはその女を使って、Aを更に依存させたかったらしいわよ」

「エリスちゃん！言わないでって言ったじゃないか！」

ぷんすか怒る鴎外を無視して、エリスは絵を更に描き続ける。
完成したAの絵は、血塗れの大鎌を持って、相手の首を飛ばしていた。
真っ赤な服を着たままAは笑みを浮かべている。

「依存、のう……既にしておる娘を更にさせる気かえ？」

「勿論。Aちゃんが目移りしないとは思っているけど、念の為だよ。念の為」

「念の為だけに、そこ迄するとはな…恐ろしい男じゃ。其奴の始末も中也に任せたのじゃろ？」

「まァね、私だけ(・・・)のAちゃんなんだから。これ位しても良いだろう？」

にやりと不気味な笑みを浮かべる鴎外に呆れて溜息を零す紅葉。
興味が無くなったのか、踵を返す。

「要件はこれだけかい？」

「まぁのう。鴎外殿に一つ、Aを傷つけるのだけは許さんぞ」

「っ……ふふ。肝に銘じておくよ」

鴎外に夜叉をちらつかせた後、首領室を去った。

「紅葉君もAちゃんの虜か」

「 Aは可愛いから仕方ないわ。束縛が激しい男は嫌われるわよ」