【ヒロアカ】貴方に依存。【文スト】 (ページ21)

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愛が二十一個ページ21

『 ────…そう』

部下からの電話を切り、首領に報告をする。

『先程、部下から報告があり、死柄木弔である事が確認できました』

「そうかい。ありがとうAちゃん」

「どうするのじゃ、早く手を打たねばこちらの戦力が削られるぞ」

姐様の言葉にうーんと悩んだ様子の首領。
然し、すぐにポンッと手を叩き笑顔で口を開く。

「よし！敵連合を潰そう！」

「また訳の判らん事を…どうやって潰す気じゃ。襲撃かえ？」

「姐さんの云う通りです。策も無しに襲撃すれば逆に此方側の戦力を削られかねません」

『私は良いと思います！』

「手前ェは黙ってろ」

何それ。中也は首領の意見を却下するつもり？

「そうだねェ…それじゃあAちゃん」

『はい？』

「死柄木弔君たちに手を組めないと伝えてくれるかい？それとちょっとした悪戯も頼むよ」

“悪戯”

私と首領だけの言葉。この意味を知っているのは二人だけ。
悪戯という意味は、つまり、痛めつけてこいと云うこと。

私は口角が上がるのを自覚しながら御意、と返事をした。

「鴎外殿、それは私(わっち)の愛いAをそのような下劣共のところへ向かわすということかえ？」

「紅葉君。お願いだからその夜叉をしまってくれるかな！？」

「無理に決まっておろう」

「姐さんっ！！？」

『そんな首領もかっこいいですよ！』

この時の首領室はカオスだったらしい。

部下を数人連れて、死柄木が居る本拠地に向かう。

ヨコハマからは遠いから嫌だけどね。

───カランッカランッ

「誰だよ…あ？A…？」

『久しぶり。死柄木』

死柄木はバーに座っていた。

その近くには黒霧が食器を洗っている。

「アポもねぇのに、いきなり入ってくるなよ」

『それはごめんね。手を組むかを報告しに来ただけだから』

へぇと嗤う死柄木。
多分、私達が組むと思っているんだろう…

『残念だけど、組むつもりは無い』

「 ……は？」

目をこれでもかと開く死柄木と手を止める黒霧。
そんな彼らを気にせず、私は言葉を続けた。

『死柄木、アンタ私達の武器庫襲撃したでしょ』

「…？……あーそういえばしたような」

本人は、最近荒れていて記憶が曖昧らしい。
それでも、うちの戦力を削ったことには変わりない。