おきて knmc ページ10
▫️社員(一人称視点)
※距離感近め
｢あれ？まだ居たんですか？｣
と、剣持さんに声をかけられた。
今朝挨拶を交わした時点で私は数時間働いていたので、お疲れ様ですといたわってくれた。それからこんな時間までまだいる私に驚いた様子で声をかけてきたようだ。
｢はい…途中から私がやりたくてやってるだけなんで仕事ではないんですが｣
関わってる仕事をいい物にしたいとこだわり始めたらあっという間に時間が経っていた。
何時間見てたのだろう。パソコンの見すぎでしょぼしょぼとしている目を気休めにギュッと瞑ってみる。
｢わっ…どうしました？｣
目を開けると、剣持さんが近くでじっと見てたのに気付いてびっくりした。
｢目の回復に数分間目をつむっているといいらしいですよ｣
｢そうなんですか？
でもいま目を閉じると寝ちゃいそうで｣
｢仮眠もしたらいいじゃないですか。起こしますよ｣
｢ええと、じゃあお言葉に甘えて…｣
10分でお願いします、と言うと分かりましたと言って近くの椅子に座ってパソコンを取りだしていた。剣持さんいつもパソコン持ってきてるよね…と思いつつ目を閉じれば直ぐに意識が落ちた。
｢おはよう。おきて｣
すぐそばで聞こえた声に飛び起きて、耳を押えてその声の元から距離をとる。ここまで全部反射的に動いていた。はぁ。落ち着くために大きめに息を吐き出す。なんてことしてるの。
声の主は、イタズラが成功して嬉しそうに笑っていた。それを恨めしそうにジト目で見やる。
｢剣持さん、ボイス出したらいいのに…｣
｢んふふ｣
.
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作者名：Nk | 作成日時：2024年1月21日 22時
