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落ち着いたガクくんが椅子に座ったので、耳と尻尾がよく見える。
申し訳ないけど気になりすぎてじっと見てしまう。
｢狐の耳と尻尾が付いてるんだね｣
｢これは伏見ガクセサリーのやつがついて、取れないと言いますか……なんというか｣
｢がっくん、もう認めましょうよ｣
｢委員長センパイ！？｣
さっきからしょんぼりしたら耳が下がり、驚いた時には耳がピンと立ち尻尾もぶわっと毛羽立っていた。直結で動いてるよね？
あ、今のあの動きはなんだろう。えっときつね、耳が後ろに倒れてる……検索をかけると｢リラックス、友好的｣かぁ。たしかに、美兎ちゃんと楽しそうにお話してる。
狐の生態について見ていると、腕にふわふわしたものが触れた。なんだ、ガクくんの尻尾か。
｢ガクくんの尻尾ふわふわだね｣
｢え？！｣
ガクくんは驚いた様子で、私に擦り寄るしっぽを見て慌てて掴んで引き寄せていた。無意識だったのかな。
｢い、いまのは違くて！！！｣
｢声デカ｣
｢違うんすよぉ｣
ちょっぴり照れながら否定を繰り返していた。え、なんだったんだろう。
今度はぴょこぴょこと忙しなく動く耳が気になった。私が耳へ視線を向けてることに気付きそちらも慌てて手で抑える。耳も彼にとってはよくない挙動をしていたようだ。
先程よりも更に顔を赤くしたガクくんがぽそりと掠れた声で言った。
｢だめ、見ないで｣
｢う、うん、｣
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｢あれ！？美兎ちゃんがいない！｣
｢ほんとっすね！？｣
｢はぁ、剣持、さん……あの2人、めちゃくちゃいい雰囲気に…はぁ…｣
｢…委員長、ちょっと走っただけで息切れしてるじゃないですか｣
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作者名：Nk | 作成日時：2024年1月21日 22時
