あげないで！ gk ページ21
▫️同僚ライバー(一人称視点)
※半分くらいギルザレンさん、森中さんがいます。
※前話と微妙に繋がってたりします。単体でも読めます。(無自覚2人のもだもだを周りが見守るシリーズ的な)
大人数で3Dコラボでパーティゲーム中。
勝った人には美味しい食べ物が貰えるというご褒美付き。
そして私の手にはスイーツがある。さっき勝ったので美味しいスイーツをいただいているのだ。
口に運びつつ、視界の端に映るギルさまへ目を向けた。
部屋の隅で大きい背を少し丸め、しょんぼりしているギルさまは今日一度も食べれてない。彼だけ2Dだから、画面の向こうにはその姿は見えてないだろうけど。
スイーツを持って近付く。
「ギルさま食べる？」
「え！ヴァンパイアにくれるのかい？」
「うん、まってね...
はい！」
1口分乗せたスプーンを差し出す。ギルさまはぱちくりと瞬きすると、嬉しそうに笑った。
「なぁに？食べさせてくれるの？Aクンがどうしてもって言うからしかたないなぁ」
「ふふっ」
いつもの彼の言い回しに笑みがこぼれる。
大きい背を屈めてくれたので口に入れようとした瞬間、後ろから腕を捕まれ引っ張られる。
「だめっすよ」
その声に振り向いた時には、ガクくんが私の手の先にあるスプーンを口に入れていた。
え？ガクくんが食べ...？呆然としてガクくんが咀嚼して飲み込み、口についたクリームを舐めとるのまでを眺める。伏し目で食べたものを味わう姿がいつもと違って見えて何も反応できなかった。
ガクくんはにぱ！と笑ってギルさまへ絡み出した。
「敗者なんだから、ザレンさんは食べちゃだめじゃないっすか」
「伏見クンのけちー！」
「ダハハハ！簡単に食べれると思うんじゃないぜ！」
2人の言い合いにハッとする。配信中だ。
今の様子を確認するためにコメントを見てみれば、「なになになに」「美味しそうに食べるかざちゃんの後ろで何してたの」と、映っては無かったようだ。ほっとしたのもつかの間、次に流れてきた「あーんしてたの、もしかしてがっくんが食べた？」のコメントにドキリとする。
あーもう！配信中にどきまぎさせないでくれるかな！？
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作者名：Nk | 作成日時：2024年1月21日 22時
