あなたの隣4【短編集】 (ページ19)

今日:42 hit、昨日:51 hit、合計:23,577 hit

でしょ？ページ19

▫️(knmc視点)
※全体的に注意。彼から更に乖離しているお話。

かわいいね、A。

僕がいつも通りに戻ったのを名残惜しそうにしているAにそう思った。

さっきの電話相手、前に一度会社で2人で話してるのを見たことがある。
馴れ馴れしい話し方、やけに近い距離、下心のある目にこの男はAに好意があるなってすぐに分かった。こうやって休みの日にも、何かとかこつけて電話してきたのだろう。

「え？今度のお休みですか？」

「すみません、次のお休みは予定がありまして…」

耳をすませばあきらかに仕事以外のことを聞いてきてるようでイラッとして電話を早く終わらせるように仕向けた。中々しない行動をとればちゃんと通じて、Aはすぐに電話を切ってくれた。ハッ！僕の方が大事なんだよ！なんて心の中で相手のことをもせせら笑う。

抱きついて好きか問えば、頬を赤らめ嬉しそうに答えてくれる。

その、僕のことが好きで仕方がないって表情いいね。

Aが僕を好きでいてくれるなら、使える手はなんでも使うつもりだ。
こうやって抱きつくのも、こういう言い方して好きか問うのもAは好きらしいからするのだ。たまになのは、レアな感じが失われると効果弱まるし。
……まぁ僕にも利益はあるから、やるのはやぶさかではない。

乱れた髪を整え終え、さっきのことは無かったかのように振る舞う。

夢だったみたいでしょ？

また今度ね。

.