彼ジャケ gk ページ1
▫️恋人(一人称視点)
今、ガクくんのジャケットを羽織っている。
数時間前、今日はこの私服で行くか〜と独り言を言ってたガクくんは白のトップスに紺のトレーナー、黄色のズボンと最近よく見かける格好で出かけて行った。
それを見送り、残った私は家事を片付けたり自分の時間を満喫して過ごした。
リビングで寛いでいたら、今朝ガクくんがクリーニングに出さないとなと置いていったジャケットが目に入った。汚れはそんなに無いけれどシワがついてるからと言っていたなぁ。シワはどこだろうと袖に触れたとき、ふと好奇心が湧いてきた。
…クリーニングに出す前にちょっとくらい着てもいいよね。
時計を確認。まだお昼すぎ。
ライバーとして活動してる事務所に行くので帰りは遅くなるらしいし、まだ帰ってくるまで余裕はあるだろう。そうと決まればいざ、
………大きい。
細身とはいえ170cm後半の彼が着るジャケットはそれなりに大きくて、通した袖に手はすっぽりと隠れてしまっている。それにふわりと感じるにおいに思わず鼻を鳴らした。
彼のにおいがして落ち着く。クセになっちゃうかもしれない。
｢んふふ、抱きしめられてるみたいで落ち着くなぁ｣
｢へぇ、嬉しいっすね｣
え？
｢！？｣
｢いやぁ、帰ってきたら彼女が彼シャツしてるんすもん。あ、いや、彼ジャケになるのかな？｣
｢な、なんで、もう！？｣
｢別日の撮影になったんで早く帰ってきたんすよ。ただいま｣
｢おかえり、なさい…？｣
混乱したまま、日課になっているおかえりという言葉は無意識に返していた。リビングの入口に立っていたガクくんが笑顔で近づいてくる。
慌ててジャケットを脱ごうとした手を被せるように大きな手で止められた。
｢で、そんな可愛いことしてたらどうなると思う？｣
ひぇ
.
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作者名：Nk | 作成日時：2024年1月21日 22時
