ドライブスルー tgbt ページ33
▫️(一人称視点)
ガクくんが車で送ってくれるということで、剣持くんと一緒に乗せてもらっていた。ちなみに助手席が剣持くんで後ろの座席に私。途中、ガクくんが喉が渇いたからとドライブスルーでコーヒーチェーン店に寄り道した。
それぞれ注文したドリンクを貰って口をつける。
｢ん、美味しい｣
｢僕のも美味しいですよ｣
｢うん、いいっすね｣
｢剣持くんの何味だっけ？今度買ってみようかな｣
｢それなら1口飲みます？｣
剣持くんに差し出されたドリンクを1口貰う。甘くて美味しい。
お礼を言って剣持くんに返すと、赤信号で車を停止させたガクくんが自分のドリンクを差し出してきた。
｢オレのもさっぱりしてて美味しかったっすよ。飲みます？｣
ありがとう！とお礼を言って口をつけた。
待って。ナチュラルにしてたけどこれ2人と間接キスでは。
美味しかった、美味しかったけどさぁ……
運転中なので受け取れないガクくんの代わりに、助手席の剣持くんが受け取ろうとしてくれた。こちらに振り返った剣持くんが、固まる私を見て不思議そうな顔をする。
｢どうしました？｣
｢なんでもない、｣
そっと剣持くんに渡す。
でも、2人が口つける前に言って回収する？私が飲んだあとのなんて嫌じゃない？
考えてる間に2人ともズズっとストローで飲んでしまった。あー。
｢あ、｣｢ん！これ関節キスじゃね！？｣
飲んでから2人とも気付くんかい。
｢まぁ、Aさんとなら別に気にしないか｣
｢そっすね。これまた買おうかな｣
気にしないんだね。なんだか私だけ慌てて恥ずかしい。視線をさ迷わせながら自分のドリンクを飲む。
ふとバックミラーごしにガクくんと視線があった。
｢あ、Aちゃんいやでした？｣
｢いやじゃないです……｣
｢1番気にしちゃって恥ずかしくなってるのでは？｣
誤魔化したのに全部言われたので、助手席の後ろにバックミラーにも映らないように2人の死角に隠れた。
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作者名：Nk | 作成日時：2023年4月30日 0時
