あなたの隣2【短編集】 (ページ16)

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「呆気ないっすね」

目の前の人がつまらなさそうに呟く。
それと同時に肩から手が離れた。

視界の端で、男の人がテレビとかで見るサイレンサー付きの銃をホルスターに戻すのが見えた。ああ、更に振り返るのが怖くなってしまった。
でも、あの人達がどうなっているのか見ないといけない、というよく分からない使命感でゆっくりと振り返る。

「っ、」

予想通りに地面に倒れていて、思わず引きつった声が漏れた。
言葉が何も出ない。限界がきて足の力が抜けそうになったのを、後ろにいた男の人に支えられた。ひ、

「あー、落ち着いて？

BB弾で撃ったから生きてますって。
まぁ、これめちゃめちゃ痛くて気絶必須ですけどね」

仰向けに倒れた男の人を見ると、おでこに真っ赤な跡がついているだけで血は出ていない。胸も上下していて、呼吸しているのがみてとれた。
良かった、生きてる。
浅くなっていた呼吸を無理やり戻す。まだ、冷静な方と言えるはず。

「落ち着きました？」

はい、と答えた声は思った以上に小さくなった。腰が抜けて倒れそうな体を支えてもらってるけど、全部この人がやったのだ。助けてもらったのはありがたい。でもはやく離れたい。

「さっきぶつかったのはオレもよそ見してたんでいいんすよ、でも」

背が高いからか私を見下ろすように覗き込む目と目があった。

「助けたお礼は欲しいっすね」

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