君と紅い果実‐登坂広臣‐

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“今まで、ソレ何回も考えて、


俺は誰にどう想われようと、後藤を俺のモンにしたいｯて強く思えたから。


隆二はすげぇ良いﾔﾂだけど、後藤を手に入れるためなら、




裏切れるよ”







臣君の声は一層低くなり、




えりちゃんに本気だと言う強い思いと共に、




えりちゃんの為に隆二を裏切ると言う臣君の裏の恐い部分が見えた気がした。






．




“そっか…”



としか返すことが出来なかった。



“何？俺のこと最低とか思った？(笑”



電話の向こうからクスクスと笑う臣君の声が小さく聞こえる



“ぁ、いや そうじゃない。”




“ﾌﾌｯ でも俺、今のAの言葉で益々隆二と後藤別れさせたくなったわ〜”



笑いながら結構酷いことを言う臣君。



“なんで？”




“だって、こんな可愛い女の子２人に想われて、何かムカつく(笑”



“何ソレ(笑”



可愛い女の子２人がえりちゃんと私だと理解した一瞬だけドキッとしたけど…言わないでおこう(笑






“それと、Aが此処まで想ってんのに気付かねぇとか”


“隆二は、変なところが天然なの。多分、言わなきゃ気付かないだろうし、

今のままじゃ、

私に恋愛感情なんて、まーったく無いと思う！”





自分で言っていて、何かムカついた。


私はこんなに想ってるのに、



気付かない隆二って…








まぁ、隆二はそういうﾔﾂだもんね。


分かってて好きになったんだもん。




見た目あんなイカツイのに、




笑った時の笑顔が、

少年のように無邪気で、、、


可愛い。





“それは分かる(笑

俺も友達としてあいつの天然は時々大丈夫かって疑うよ”



そう言ってまた臣君の笑い声が聞こえた頃、



持っているスマホから着信が鳴る。


“あ、ごめん電話来た！一回切るねｯ”


“あ、おう”



臣君との電話を切って、

ディスプレイを見ると、



“隆二”

の二文字。



一瞬驚いたけど


切れる前に電話に出た。

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