声優さんたちとの日常

第46話 ページ49

「Aちゃん、花江くんが物凄い勢いで出て行ったけど…」

" あれ…？Aちゃん？"


" おーい、"

その人の声と共に、ツンッ とおでこを押された。

「あぅっ……て、寺島さんっ！」

「どうしたの？…何かあった？」

" ぁ…えぇっと…ですね…"

" ？…もしかして…"

無意識に唇を触っていたのか、寺島さんが触っていた私の手を取り、



寺島さんの手が、私の唇に触れる。

「あ、あの…」

「…嫌。じゃ、なかった？」

「…はぃ、嫌ではなかったです…。」

「そっか…」

" ごめん、ちょっとだけ…ね？"

" へっ……？！"

ペロリと唇を舐められる。

恥ずかしくなって、目を強く瞑る。

" ふふっ、少しだけ…消毒ね。"

顔は、ニコニコしているが、瞳がイタズラっ子のような瞳をしていた。

" あ、俺、仕事だから。もう行くね。
"

そう言って、何事も無かったかの様に、出ていった。



ドキドキした気持ちを抑えながら、へなへなと床に座り込む。

「うあぁぁ……」

思い出すと、恥ずかしさや罪悪感が出てくる。

恥ずかしさは、自分に。

罪悪感は、ファンの方々、


付き合ってもないのに…は、は、花江さんと…き、ききっ…キス何か、しちゃって…

「ぅっ…ぁっ……ぅぅ…」

恥ずかしさと申し訳なさで、涙が出てくる、例え、花江さんや寺島さんが迫って来たとしても

私が、押し返せば良かったのに…


小さく、泣いているとリビングのドアがまたガチャっ と開いた。

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