声優さんたちとの日常

第23話 ページ26

「…ご、ご褒美？」

「そ、何か頂戴？」

" うーん…手料理、とか？"

" それもいいけど…もっと違うのがいいいかな。"

" …だ、だき…抱きしめるのは…？"

自分でも、何でこんな事を言ったのか、わからない。

" うん。それがいい。"

「え、ぁ…本気、ですか？」

「え？本気だよ？」

(マジですかー！)

内心、嬉しいとか思ってる自分がいる。

フワァッ と微かに、香水の匂いが香ったと思うと、抱きしめられていた。

「…ん。Aちゃんいい匂いする。」

「はぃ！？」

(サラッと変態発言してるような気がしますよ！！？)

と心の中で突っ込みを入れる。



「…ん…」

眠気が私を襲う。

それに気が付いたのか、江口さんは

「眠い？…寝ていいよ、Aちゃんが寝るまで、此処にいるから。」

その言葉を聞いたあと、すぐに眠りに落ちた。







朝起きると私は、ベッドで寝ていて、江口さんが運んでくれたのだとわかった。

テーブルを見ると、置き手紙が置いてあった。

【昨日は、大丈夫だった？よく眠れたかな？ 昨日、預かった物を渡そうと思ったんだけど…すっかり忘れてました。なので此処に置いておきます。】

「…昨日来てくれた、皆さんのメアドと電話番号…？」

" 丁寧に、名前まで書いてある…;; "

そう呟きながら、一人一人、登録していく。

昔は、声優になって、色々な人と共演できたらいいなー。

とか思ってたけど、共演する前に、こんなたくさんの方々に会えるなんて、思ってもみなかった。

「何か、一生分の運を、これで全部、使い果たしそう……。」

そういう独り言をいいながら、今日の支度を色々と始めた。

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