監視の部屋 ページ41
｢彼ら4人がここに閉じこめて、Aちゃんと遊びたいって言うもんだから僕はここを用意したって言うのに…｣
｢それが、どうしたんです？｣
｢…僕は真っ白な空間で4人に怯えるAちゃんを助け出して、安心して縋り付くAちゃんは僕の事しか見えなくなる予定だった。…それで、まぁ計画通りに4人は僕の部屋を借りてくれた。｣
彼はそう言って、モニターを優しく触った。そこには風呂から上がってぼーっとどこか一点を見つめているAさんが映っていた。彼は愛らしく画面から彼女を撫でた。
｢だけど、おっかしいんだよ、『この部屋、坂田のものじゃない』って、あの子言ったよね？｣
｢…そうやなぁ、それ、引っかかったんです？｣
｢もちろん。…Aちゃん、この部屋が『4人の誘拐事件じゃない』って事、もうどこかで気付いてる。｣
もうひとつのモニターには、坂田が心地よさそうに眠っていた。ゴロンと寝返りを打って、口元をむにゃむにゃと動かし、布団に抱きついた。そんな微笑ましいとさえ思うモニターを彼は鋭く人差し指でつついた。
｢…うーん。誰が言ったんだろう？…Aちゃん勘が鋭いから、バレても仕方ないかもしれないよなぁ…｣
ブツブツと喋りながら、椅子から立ち上がりくるくる歩き回る。顎に指を置いて、考える素振りを見せる。動きはあざとく可愛らしいのに、口から出る言葉は見た目からは判断できない。
｢…まふが『作った誘拐事件だ』って、本人に言ったところからバレてた？…いや、その時はきっと今まで一緒に誘拐されていたと思ってた仲間が誘拐犯だったショックの方が強いでしょ…｣
｢…｣
｢…あ！…もしかして、志麻くんとか？｣
｢なんでそうなるん？｣
僕は口を出した。彼は続けた。
｢志麻くん、１回カメラ壊してるでしょ、そのタイミングかなぁって｣
｢…そうなんかなぁ｣
そして彼は僕に近付いた。そしてぎらりと光るその瞳でぎりぎりまで寄ってきてひっくい声で僕に一言こぼす。
｢…センラくんも、まふになんか言ったでしょ｣
｢……｣
｢否定しないんだ…｣
彼はそう言って嬉しそうに笑った。なんで笑ったんか全然分からんくて、僕は彼を見つめた。
｢じゃあ僕以外、敵ってこと？｣
｢…そうかもなぁ｣
｢僕が勝ったら独り占めだ！やった！！｣
ぴょんぴょんと飛び跳ねる彼はサラッと髪の毛を揺らした。僕は、彼が幼さと言い、発言と言い、男子高校生には見えない。
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しらす - は？猫耳さかたんとか天使かよ (2019年4月23日 13時) (
レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - Blackgirlさん» コメントありがとうございます。続編もご期待に添えるよう頑張らせていただきます (2019年2月24日 15時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - 歩さん» コメントありがとうございます。続編もよろしくお願いします…！ (2019年2月24日 15時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
Blackgirl(プロフ) - みんな一途で可愛い。続編期待してるで。 (2019年2月22日 23時) (レス) id: 61c7222caa (このIDを非表示/違反報告)
歩 - ついに続編ですか！！おめでとうございます！黒幕も出てきた(？)事だし、これからの展開が更に楽しみです！続編もふぁいとですっ！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 13020661c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょうゆのすけ | 作成日時：2019年1月21日 16時
