真似しないと出られない部屋 ページ37
｢＿＿＿は、ぁ？｣
思わず声が漏れた。モニターに俺たち3人はかじりついてみていた。まふはいつもどこか冷静で、でもどこかお茶目で、時々変な企画してはケラケラ笑う、大事な幼なじみだった。
なのに今は変だ。誰かの手の内にいると分かっていて、まだ『出たくない？』…何を考えているんだ。
｢…おれも、出たくない｣
｢坂田、おま｣
｢その相手のものにせぇへんかったらええんやろ？俺が守って、このおもろい部屋でAと過ごしたい。…なぁ、見たやろ？あんな可愛いA、ここから出て、いつ、どこで、どのタイミングで見れるん？無理やろ？｣
｢……俺は、Aが誰かの手のひらで1ミリでも可愛がられんのやだ。この空間自体が、誰かの作ったものならヤダ。邪魔されるぐらいなら、誰も手出しできねぇほうがマシ、出れんなら出よう｣
『そらるさんは？』なんで純粋な瞳で坂田が見つめてくるから、俺は黙り込んでしまった。その空気を切り裂くようにスタッフが扉をノックする。
｢…お次、そらるさんです｣
｢………ぁ、はい｣
4人でも、意見が分かれてる。この状態で、下手に手を出したらセンラくん達で既に敵対しているのに、ここも別れてしまえば元も子もない。
(…なんとか、しなきゃ)
気分の悪い空間を後にする。
＊
｢…A、起きて｣
｢ん、ぅ｣
通路で倒れて、それからどうしたっけ。
目を開くと目の前にはそらるさんが居た。少し神妙な顔つきで私を見つめている。
【真似しないと出られない部屋】
そして何やらルーレットが始まった。動物の名前が書かれているようだ。止まったのは『イヌ』の文字。
【イヌ の真似をしてください】
【飼い主役とイヌ役に分かれ、10分演技してください】
｢……おて｣
｢へ？｣
｢はやく。…おて｣
｢いや、待ってください。私イヌ役なんて一言も｣
そう言うとすくっと立ち上がり机の上に並べられた色々なグッズを眺めだした。そしてそらるさんは1つ手に取る。…青い首輪だった。
ゾッとした。後ずさりするけど、そらるさんは嬉しそうにゆっくり歩み寄る。何か、血迷っている。何か、迷っているその表情。無理やり笑顔を貼っつけるから、黒い笑みとなり私を見下ろす。
｢…犬ならさ、首輪要るよね。…俺のもんだっていうシルシ。｣
＊
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しらす - は？猫耳さかたんとか天使かよ (2019年4月23日 13時) (
レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - Blackgirlさん» コメントありがとうございます。続編もご期待に添えるよう頑張らせていただきます (2019年2月24日 15時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - 歩さん» コメントありがとうございます。続編もよろしくお願いします…！ (2019年2月24日 15時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
Blackgirl(プロフ) - みんな一途で可愛い。続編期待してるで。 (2019年2月22日 23時) (レス) id: 61c7222caa (このIDを非表示/違反報告)
歩 - ついに続編ですか！！おめでとうございます！黒幕も出てきた(？)事だし、これからの展開が更に楽しみです！続編もふぁいとですっ！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 13020661c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょうゆのすけ | 作成日時：2019年1月21日 16時
