続 ページ29
「まーしぃやめい」
「あちゃー、バレたかぁ」
「……なんでいるの」
「そんなん決っとるやんか。Aが風邪ひいとるからやんけ」
「……信じてくれへんかったやん」
ほんと私迷惑ばっかりかけるの人間だな、とつくづく思う。なんだか真正面でまーしぃと目を合わせられなくて、さかたんの背中に顔をうずくめた。
「……しんどかったのに、ごめんな」
「……別にええし。いつもの行いが悪いから」
「じゃあ拗ねんといてや」
なんだかもっとモヤモヤする。さかたんの背中に頭を押し付けてぎゅっと抱きしめた。
が、抱きしめた手が包み込まれた。
「…A、体調大丈夫?」
「………平気」
「顔色悪いで。…んー、俺寝ちゃったぁ」
さかたんとも顔を合わせられてなんだか居づらくなる。布団を鼻まで被って二人共に顔を合わせないようにした。するとさかたんは起き上がって伸びをして部屋から出ていった。
「向こうの部屋にそらるさんもまふくんも、うらたんも、るすくんも天月くんもおるで」
「…なんで皆来てんの」
「お前が心配やからやんか」
「みんないつものドッキリやって言われた。まーしぃも言うたやん」
なにそれ。
みんな優しいやん。ドッキリばっか仕掛けてみんなを惑わせた私のせいじゃん。みんななんも悪ないやん。
私は布団に目を落とした。
「……お腹空いた 」
「確か向こうでなんかお粥でも作っとったと思うで。…起きる?」
「………」
「……どう?」
「………起きる」
__________
「あ、A…!だ、だだだ大丈夫?!」
「…仕事は?」
「そんなの抜けてきたよ、歌ってみたのお仕事だしソロ曲だったので、あとに回しちゃった」
まふくんがへらりと笑った。そらるさんが私のおでこを手で触る。ヒヤリと冷たい手に思わず肩をすくめた。そのそらるさんの周りにるすくんやうらたさんが顔を出す。
「…その、…気付けなくてごめん」
「A、お粥作ったけど食べるー?」
「うぇ、そんな元気ねぇ顔初めて見た…大丈夫?」
「……」
なんだか申し訳ない気持ちと信じてもらえなかった気持ちで複雑な事になっていた。黙り込んでいると、天月くんが声をかける。
「…騙されて欲しかった?」
「っ信じて欲しかったぁぁ…!!」
糸が切れた様に私はパジャマ姿のまま子供みたいにわんわん泣いた。
私自身は熱のせいでか知らないが、全く覚えていなかったけど。
*リクエストありがとうございました!*
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しらす好き - うわぁ!!騙されてしまいました!これからも、頑張って下さい! (2019年2月10日 15時) (レス) id: f05a7b8ab9 (このIDを非表示/違反報告)
雫@更新おそめ(プロフ) - わあああああ騙されました騙されました!!!!すごいすごい!!めっちゃいいです!!!!これからも応援します!!! (2019年2月10日 14時) (レス) id: 6d0f7297ef (このIDを非表示/違反報告)
仲館 瑠美(プロフ) - 続編よっしゃゃゃ!見事に引っかかってしまった(泣)これからも頑張ってください! (2019年2月10日 13時) (レス) id: 8a67a74e89 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - 咲魔_ジャジャ麺さん» ご指摘ありがとうございます…誤字が多くて大変申し訳ございません。ありがとうございます (2019年2月9日 17時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
咲魔_ジャジャ麺 - びしょ濡れドッキリのところ女の子って笑ってからそうだになってますよ (2019年2月9日 10時) (レス) id: ac3afb786c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょうゆのすけ | 作成日時:2019年1月8日 16時