再び恋をはじめます【緑】 (ページ8)

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急いでお店に行くと、樹が早く座って！と促してきたから樹が座ってる隣の椅子に座る。

自己紹介というかとりあえず名前言わないとって思って阿部亮平です、と言うと女の子達が一人ずつ自己紹介してくれて、合コン慣れしてる女の子ばかりなんだなって思っていたのも束の間

『……A、です』

え、A…？
聞き間違いか？それとも同名？

彼女かどうか確認するためにその人を見ると、ぴったりと重なった視線。なんで？と思うと同時に、再会できたことに少しだけ嬉しくなった。

だけど彼女は気まずそうにしていて

そりゃそうだよな、元彼と合コンで再会なんて気まずいに決まってる。

久しぶりって声をかけることも出来ずに数秒沈黙が流れる。その沈黙を破ったのは翔太で、知り合いなの？って。

…どう答えることがベストなのか、直ぐには頭が回らなくて、その間にAが口を開いた。

『…初めましてです。そうですよね、阿部さん？』

同意を求めるようにこちらを見る。

そっか、そうだよな。
何年か前に別れたんだし、もう他人なんだから、この場の空気を読んで初めましてで合わせた方がいいのか

…だけど、どうしてもそんなことしたくないって思ったのと、他人みたいに “ 阿部さん ” って呼ばれたことが悲しくて、笑って誤魔化した。

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