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「阿部ちゃん今日空いてる？」
「え、今日？この後にある収録終わりなら空いてるけど…」
「合コン行かね？」
樹が可愛い子紹介してくれんだって、と誘ってきたのはふっかと翔太。俺達一応アイドルだし、合コンしてるところ見つかったらやばいんじゃ…と思って断ろうとしたら、ふっかに肩を掴まれて。
「お願い！一緒に行こーよ、ね？」
「なんで俺なの？目黒とかのがよくない？かっこいいし」
「目黒この後空いてないらしい」
「じゃあ照とか、康二は？」
「そこは聞いてないけど…阿部ちゃん空いてるならいいじゃん！」
「それに阿部、前に付き合ってた彼女と別れてから結構経ってんじゃん。そろそろよくない？」
前の彼女、か。…A、元気にしてんのかな。
別れてから一度も会ってないし、連絡先だって消しちゃったし。新しい彼氏できたのかな…なんて、
……できてるか、Aだし。当時から可愛くて性格も良くて、俺には勿体ないくらいの彼女だった。
彼女と別れてから、もう三年になるのか
翔太が言いたいのはそろそろ彼女つくってもいいんじゃない？ってことだよな、
「何時からなの？」
「18時半！」
「ん、了解。収録が18時半までの予定だから少し遅れるかもだけど、それでもいいなら…」
「全然いい！あとでお店送っとくわ！」
「収録頑張れよ」
「ありがと」
合コンか…行くだけ行って、少ししたら帰ればいっか。
……俺はまだAのことが忘れられない。
翔太はそろそろいいんじゃない？って言ってたけど、A以外の人と付き合うなんて考えられなかった。
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作者名：陽梨
| 作成日時：2021年4月9日 0時
