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ひーくんと電話をしてるとあっという間に時間がすぎて、気づけば日が沈みかけてる。
ひーくん、私との電話楽しいって思ってくれてるかな
つまらないと思われてたらいやだな…と思いつつもスマホの向こうから聞こえてくるひーくんの声は弾むような楽しそうな声で、
少なくともつまらないなんてことは思われてないのかなって感じる。
．
岩本「ありがとね、電話してくれて」
「…こちらこそありがとうございま、あ、」
岩本「ん？どした？」
「最後にひとつ聞いてもいいですか？」
．
そろそろ電話切ろうか、となったところで思い出した。
ライブの後、ひーくんは何を思って悲しい顔をしていたのか、それがずっと気になっていた。
．
「ライブの後の楽屋で会った時、
なんでひーくんは悲しい顔をしてたんですか？」
．
私が聞くと、ひーくんは言葉を詰まらせたように「っ、えっと…」と何かを考えるように黙り込んでしまう。
まずいこと聞いちゃった…？
あまり聞かれたくないことだったかな、
．
「あの、無理にとは言わないんで…」
岩本「実はさ、俺Aちゃんのこと好きなんだよね」
「……え？」
．
正直聞き間違いかな、と思った。
まだ知り合って間もないし、それに私とひーくんはファンとアイドルっていう関係で、恋愛に発展することなんて可能性ゼロに近い。
それなのにひーくんは止めることなく言う。
．
岩本「一目惚れとはまた違うと思うんだけど、
気付いたらAちゃんのことばっか考えてるし、
この間のことだって、俺と話してるのにふっかのことばっかり気にしてるから」
．
そんなの妬いちゃうじゃん…って弱々しい声。
恐らく電話の向こう側のひーくんは、
眉を下げて悲しそうに笑ってる。
あの日と同じ顔をしてる気がする。
．
「…えっと、」
岩本「直ぐにとは言わない。ふっかのことも今まで通り応援してくれて構わない。ただ、これからは俺のことアイドルとしてじゃなくて、ひとりの男として見て欲しい。」
．
強くそう言ったひーくんは「また連絡するね」と電話を切った。
……私、ひーくんに告白された、？
＊＊
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作者名：陽梨
| 作成日時：2020年8月9日 23時
