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冨岡さんのいきなりの登場に驚いている
猪の少年に満面の笑みで話しかける。
『 ねえ君。この人は鬼殺隊の最高位にいる人よ 』
伊 「 なんだそれ !!! 強ぇのか ?? 」
『 うん。とーっても強い 』
そう言えば、猪の少年は純粋らしく、
直ぐにそれを信じ、冨岡さんの方を先程のように
キラキラと見つめる。
まぁ強いのは事実だが、人の言うことをそんな簡単に信じるのもいかがなものだろうか。
なんて少し心配になっていれば、
冨岡さんは面倒くさそうな顔をして、そんな猪の少年を見ていなかったかのように去ろうとする。
伊 「 ちょっと待て !! 俺と戦え半々羽織 !!!
そしてお前もだ !! 俺と勝負しろ !!! 」
『 え、なんで私まで ?? 』
伊 「 お前は十二鬼月に勝ったからな !! そしてお前らに勝てば俺がいちばん強いって寸法だ ! 」
私が猪の少年の発言に「?」を浮かべていれば
冨岡さんが代わりに答えてくれた。
義 「 修行しなおせ。たわけ者。」
伊 「 なにィぃぃぃぃ !? 」
義 「 あれは十二鬼月じゃない。
そんなことも分からないのか ?? 」
その発言に猪の少年は反論する。だが、その間にどこからかロープを出し、猪の少年はぐるぐる巻きにされた。
伊 「 およよよよよ… ッ なんだこれ。
縛られてる ?? 早ぇ。早ぇこいつ。」
縛られてる事に気づいた少年の反応が
不覚にも可愛いと思ってしまう私。
その間に冨岡さんはどんどん遠ざかっていく。
義「 己の怪我の程度も分からない奴は戦いに関わるな 」
伊「 ハァン !? 聞こえねぇんだよ !!! 声小せぇし、
歩くの早ぇんだよ !! 縄ほどけゴラァ !!! 」
そんなことを猪の少年が叫んでいる間に、
冨岡さんは見えなくなってしまった。
『 ねえ君、名前は ?? 』
伊 「 嘴平伊之助だ ッ !! 」
名は体を表すとはこういうことなのだろう。
先程聞こえないと言っていた彼に冨岡さんの言葉を
もう少しオブラートに包んで伝える。
『 嘴平くんは元々立つのもやっとの傷だったのに、それに加え、さっきの強い圧迫。…重傷なのよ。
だからもう参戦しない方がいい。 』
伊 「 俺様は強ぇから大丈夫だ !!! 」
『 強いのと無理するのは違うよ。それと大声を出すのは控えた方がいいよ。』
そういったのと同時に彼は出血のせいか、気絶してしまった。ただ、ここに1人彼を置いていくのも忍びないので隣の木に寄りかかり、目が覚めるのを待つ。
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天霧(プロフ) - とても面白いです。続きが気になります。更新頑張ってください。応援してます! (2021年9月27日 21時) (レス) @page23 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさぎり。 | 作成日時:2020年5月17日 0時