桔梗の花言葉を君へ【鬼滅の刃】 (ページ5)

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下へと落ちていく我妻くんを受け止め、
そっと家の上へ横たえさせる。

『呼吸で毒の巡りをできるだけ遅らせて』

おそらくこの犠牲者の数ならば、柱が来ているはず。我妻くんのそばに居た雀ちゃんに、柱を呼んでほしいと指示を出せば泣きそうになりながら飛んでいく。

『我妻くん。呼吸に集中しながら
私の話を聞いてくれる ?? 』

そう言えば、目だけをこちらに向ける我妻くん。
勝手に聞いてくれると解釈し、話し始める。

『鬼を前に泣いたり逃げたりするその行動に意味は無いけれどそれで良いのよ。それが君自身だから。
ただ… 諦めないで。諦めなければ状況は変わる。』

『今回君は諦めなかった。それによって沢山の人の命を、我妻くんは救ったの。今日の人達だけじゃない。明日、明後日の未来の人達も救ったのよ』

そんな会話をして数分後、我妻くんの雀ちゃんの声がしたのでそちらへ振り向けば……

そこには蟲柱である胡蝶様が
眉を下げ少し困ったような表情で立っていた。

し「 A… 」

『 … お久しぶりです。胡蝶様。この子の手当を。
呼吸で遅らせてはいますが既に毒が全身を回っているので解毒剤の調合とそれから、』

し「 … 大丈夫です。私に任せてください」

そういうや否や、慣れた手つきで
我妻くんの手当をしていく。

私は近くにいた雀ちゃんに「ありがとう」と呟いて
一瞬のうちに木から木へと移動していく。

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遠ざかっていく私の後ろ姿を、
胡蝶様が悲しげな眼差しで見ていたなんて知らずに。

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木の上を移動していれば傷だらけの猪の少年が
何かを探しながら走っているのが見える。

傷のせいで足に力が入らないのだろう。
膝から崩れ落ちてしまった少年の目の前へ降り立つ。

『さっきぶりだね、その傷痛くない ?? 』

伊「あぁ ? こんなもんお前の蹴りより痛くねぇ !! 」

……… 相当あの蹴りが痛かったらしい。
後でちゃんと顎も診てもらった方がいいかもしれない

『ところで少年。私たちの真上には
鬼がいるんだけどそれは気づいてる ?? 』

私は木をつたってここに来たので鬼が木の上にいるのは知っていた。ただあまりにも猪の少年の傷が酷いのでどれだけ動けるのか確認しておきたかった。

そんな呑気なことをしていれば
木にしがみついていた鬼が急に唸り出す。

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