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まだ遠くへは行っていないと考え、街中をひたすら走り回り探したが、その姿は見つけられなかった。
けれど、陽が昇るまではまだまだ時間はある。
街にはいないと判断した私は山へと入る。
探している途中、何体か鬼を斬りながらだったため、
陽はもうそこまで来ていた。
( もう夜明けだ… 間に合わなかった )
もう明るくなり始め、諦めかけていた時
ずっと探し求めていた声が頭上から聞こえた。
「 やぁA。鬼殺隊に入ったんだね 」
『 …… 童磨 』
童 「 鬼殺隊に入ってるなんてびっくりしたよ、
さっきの鬼も一瞬で斬っちゃったし !! 」
『 …… 私も童磨が鬼だったなんてびっくり。
まさか家族同然の貴方を斬る羽目になるなんて 』
会話の内容は鬼と鬼殺隊士のものなのに、
昔に戻ったような気がしてくる。
もしかしたら鬼とだって仲良くなれるんじゃないか、
なんて甘い考えも頭をよぎった。
童 「 あ、Aってば急にいなくなって心配したんだよ ?? ずっと探してたんだ。さぁ帰ろうA 」
『 帰らない。カナエ姉さんを殺したのは童磨 ?? 』
童 「 あーっ蝶の髪飾りの子 ?? やっぱり君の血縁者だったんだ。肉質も顔も似ていたからそうかなとは思ってたんだ 」
そう、昔と変わらない貼り付けた笑みで悪びれもなく言う童磨に怒りを覚え、キッと睨みつける。
「 いつか必ず私が貴方を地獄に送るから 」
童 「 えーなになに。本気で俺と殺り合う気なの ??
… まぁ陽は近いし、Aは怒ってるみたいだし、また迎えに来るよ。それまで死なないようにねA 」
そう言って童磨は目にも留まらぬ速さでいなくなった。そこら辺にいる雑魚鬼とはやはりスピードも威圧感も何もかもが違った。
この時、初めて上弦の強さを目の当たりにし、
今のままじゃ足元にも及ばないと実感した。
だから私は柱をも上回るくらい強くなって
必ず童磨の頸を斬ろうと誓った。
________ 私の命と引き換えにしても
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柱になれば自分の都合で命を投げ出すことがどれだけ
鬼殺隊に、お館様に、柱の人達に迷惑をかけるのか。
確かに柱になった所で
誰しもが死と隣り合わせなのは当たり前だが
私の場合は童磨と戦った時点で死ぬ前提の話なのだ。
わざわざ迷惑をかけてまで柱にはなりたくない
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これが私が柱になることを拒む理由
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天霧(プロフ) - とても面白いです。続きが気になります。更新頑張ってください。応援してます! (2021年9月27日 21時) (レス) @page23 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさぎり。 | 作成日時:2020年5月17日 0時