園遊会 前編 ページ3
後宮を騒がせた毒白粉の一件からはや数ヶ月。もう春である。周りは園遊会の準備で忙しい。宦官や女官がせっせと働いている。そう、園遊会である。妃に限らず、殆どの女官は殿方の気を引くために色々忙しいのである。
秀雷は溜息をついた。園遊会は憂鬱なのだ。何がといえば寒さと答えるしかない。動くこともなく、極寒の中ずっと外にいるのが苦行以外に何がある。寒さを凌げるならば…と主上が遠い目をしていたのを思い出した。主上でもしんどいのだ。
女であるため、武官でも特別に後宮の中を出入りできる。やはり後宮のみんなも忙しそうだ。今回は玉葉妃の吾子のお披露目も兼ねているからかもしれない。Aの仕事といえば、後宮の見回りである。宦官だけには任せておけないからだ。
(………おや)
秀雷は1人の女官を見つけた。周りが園遊会の準備で忙しい中、我関せずといった顔で洗濯籠を持っているそばかす顔の小柄な女である。そういえば…と秀雷は思い出す。麗しの宦官殿が言っていた興味深い毒味役。卓越した薬の知識で毒白粉の事件を解決に導いたと。名を猫猫と言ったか。ちなみに、秀雷も猫猫同様壬氏の魅力には無関心である。話してみたい気持ちは山々だが、こちらとしても仕事があるので我慢する。見回りを再開した。
(………)
猫猫もまた武官の格好をした女の事が気になっていた。しかし関わる機会はないだろうと思い、その場を後にした。道草を食っている場合ではない。侍女頭は恐ろしく手が早い。
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ゆう - すごく面白かったです！個人的にはおいしい設定なので続き楽しみにしてます！！ (2019年10月1日 2時) (
レス) id: 5fb09e599b (このIDを非表示/違反報告)
佰 - 面白いです！女性の武官って良いですね！続きが気になります！これからも更新頑張ってください！ (2019年7月26日 15時) (レス) id: 12eab0778e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：与一 | 作成日時：2019年6月24日 1時
