梵天首領にさらわれたけど多分人違い

六日目 ページ10

監きん生活31日目


深夜、2時過ぎ

玄関が開く音がして、私は起きた。


重い体を起こし、布団から這い出て玄関へ行くと

そこにはマイキーさんがいた。

前に会った時よりも濃いくまをこさえ、

暗くてもわかるほど青白い顔をしていた


『おかえりなさい』


そう言うと、彼は私に抱きついてきた

決して離すまいと、強い力で抱きしめる彼。


そう言えば、ハグをすることで一日のストレスが

消えるといった情報をどこかで聞いたことがある。


反社の首領である彼は、私が想像している以上に

ストレスを抱えているのかもしれない。


ぎゅっと、彼を抱きしめる力が強くなった


せめて、本物ではないけれど、私といる時は

楽にいてほしい

そんな利己主義者(エゴイスト)みたいなことを思ってしまい、

心が張り裂けそうになる。


考え事をしない様に、マイキーさんの肩に顔を埋めた。


『…………』

『………………』


『あの、マイキーさん』

マイキー「ん」

『もしかしてスクラップしてきましたか？』

マイキー「してきたけど、なに」

『シャワーとか着替えとかしましたか？』

マイキー「まだ」

『そうですか、そうですか』

『………………』

『ちょっと電気つけますね』


玄関の電気をつける。

パッと一気に視界が明るくなった。

しばらくして目が慣れてくると、マイキーさんの

格好が見えた。

うん、一面の赤。


そして私の服を見てみる。

うん、こちらも一面の赤。


鉄錆の匂いがむわっと鼻を刺激した。

その匂いは私に、急いで洗濯しないとシミになると

警告するかの様に、しばらく鼻にこびりついていた。





時刻は深夜の2時を過ぎた頃。


この後マイキーさんの服を引っ剥がし、自分も服を脱ぎ

急いで漂白、洗濯をしたのは言うまでもない。





蘭「あ、まだ起きてた〜」

『なんすか、寝たいんですけど』

蘭「はいこれ」

『は？？？？？？』

蘭「ついでにやって❤︎」

『一億積まれてもやらねぇーよ』

蘭「この前発売された、新作の龍が如●

買ってきたんだけどなーー」


『何してんですか蘭さん

早く洗濯物出してくださいよ、シミになるでしょ』


蘭(チョロ)

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