反省してます ページ44
side.Rikuwo
「ほんとーにすいませんでした！」
リビングで土下座をしてるそらちぃを横目に、僕は夕飯の準備をする。彼等に何があったのかは知らないけど、帰って来たらこんなシュールな感じになってた。理由は見てて何となく分かったし僕からはあえて口は出さない。
「反省しています。許して下さい」
床に頭を擦り付ける彼へ別にいいけどと不満気ながらもそう言ったA。
「…わざとじゃ無いんでしょ？」
「正真正銘の事故です」
「じゃあもういいから、頭上げて」
そう促すAに、彼はそっと頭を上げる。Aの顔を覗き込むようにして確認したそらちぃは、彼女の許しが出るや否や控え目の笑顔で言った。
「でもさ、聞いてA」
「なに」
「扉開けた時タオル巻いてたから、ちゃんとは見てないよ」
「…………は？」
気を利かせたつもりか真相は分からないが、墓穴を掘っている。予想通り彼のその言い回しが気に食わなかったのか、冷めたはずの怒りがまたぶり返しそうになるA。今にバカなことを言いかねないと止めに入ろうとしたエイちゃんに、にっこりと笑ったそらちぃ。
「タオル無かったから、完璧に見えてたね。よかったよかった」
ヘラヘラと笑った彼の語尾は明るい。その瞬間、阿修羅のような顔をしたAの振りかぶった右手が彼の頬にめり込んだ。それはもう見事な右フックだった。
＊
「横暴だ！」
頰を腫らしたそらちぃが机を叩いた。彼の正面に座って夕飯のオムライスを食べるAは始終真顔を貫き通してる。
「これは横暴だ！！」
もう一度叫んだ彼を、不機嫌な顔をしたAが「うるさい」の一言で黙らせる。
「こわぁ…」
Aの剣幕に小さくなって僕の後ろに隠れた被害者ヅラの彼だけど、さっきまでの流れを見てればどう考えてもそらちぃが悪い。拗ねたように唇を尖らせたそらちぃはボソボソと呟く。
「今日の午前中はめっちゃ優しかったんだよ……二日酔いの俺に差し入れくれてさぁ…」
あの短時間で何かに取り憑かれたの？と恐る恐る尋ねるそらちぃだが「何言ってんの？」とAに一蹴されてた。
「二人共やめなって、もう仲直りしたんだから」
また争いが起きそうな彼等に僕が注意すれば「今日からえろちぃだね」と言ったエイちゃんの言葉に思わず吹き出すツリメ。途端にAの眉間にシワが寄る。彼まで火に油を注ぐ始末でこりゃあもうダメだと思った瞬間、Aが大きなくしゃみをした。驚いた僕達の視線が彼女に集まる。
「あれ？なんか、寒いかもしれない」
頬を赤くしたAは、小さな肩を微かに震わせた。
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ゆき(プロフ) - 久しぶりに神作家さんみつけてとっても嬉しいです！はっぴー！連投失礼しました´`* (2019年1月11日 16時) (
レス) id: 79b287e614 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 数ページだけみてもわかるおもしろさでどんどん読み進めてしまいました！アバンティーズの会話とか、考え方とか実際言いそうだなぁと思って楽しかったです！(*^^*)とてもアバンティーズを愛してらっしゃることが伝わってきて、心が温まりました！展開もとても面白くて、 (2019年1月11日 16時) (レス) id: 79b287e614 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - らぴまる 。さん» 嬉しいです。私もコメントを見るだけで１日ずっとウキウキしてます^ ^ 毎日更新できたらいいなと思いつつも、みんなの言い回しで凄く悩んでいます。こんなこと言わなさそうだなと思ったらまた書き直す…の繰り返しです！でも楽しい！メッセージありがとうございました！ (2017年4月2日 23時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - るなさん» 今までの長編は一人をメインに書いていましたが、今回は四人もいる…(´-`)ということで誰がどのタイミングで何を言うかなぁと考えるのがちょっと大変です。ですが、何故かその中でそら君だけ無駄に使いやすいです！（笑）メッセージありがとうございました！ (2017年4月2日 23時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
らぴまる 。(プロフ) - すごく展開が気になる作品ですね！こちらの作品は1日の終わりのたのしみです！ (2017年4月1日 21時) (レス) id: 68c41e6b9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2017年3月15日 0時
