ブラックホールな男 ページ21
今日は授業を取っていなかったので、朝からりくとツリメの買い物に付き合っているあたし。ノコギリ、釘、板、電動ドリル。普段あまり目にすることのない物達に囲まれて、ホームセンターの工具のコーナーを見渡した。ここはなんだか独特な匂いがする。
「DIYでもするの？」
金槌を眺めているりくに尋ねれば、まさかと返事をした彼。
「なんか、撮影で使うらしいんだよね」
「…金槌を？どんな撮影すんの」
「エイちゃんが考えた企画だからね、未知数だよ」
「確かに……」
りくの言う通り、エイジって何考えてんのかよく分からない。先日だって、仲良くなれたと思ったらまた顔見知りみたいな感じに戻ってたし。まさにブラックホール。
「てかツリメどこ行ったの？」
金槌を手に取りながらあたしに聞いてきたりく。
「ホントだ。いつの間にか居なくなってる」
先程まで隣に居たはずの彼の姿を探す。探すけど、やっぱりツリメとあたしとりくってめっちゃ変なメンバー。こんな三人もいいねなんて家を出る前に言ってたりくの言葉を思い出すけど、良いも悪いもあたしはツリメの事をまだよく知らない。
「りく、時間掛かりそう？」
いつの間に移動したのか、今度はカラフルなペンキの前で立ち止まっていたりくに視線をやる。
「うーん、もう少し掛かるかも」
「そう。じゃあ別のとこ居てもいい？」
大きく頷いた彼。あとで電話してとだけ言ってあたしは彼に手を振った。別に一緒にいても良かったけど、言ってしまえば金具とか見てても楽しくないのだ。彼女の買い物に付き合う男の子ってこんな気分なのかなと工具のコーナーから離れる。
「どこで時間潰そうかな…」
別の所と言ったはいいが、デパートとは違ってここはホームセンターだ。ちょっとしたカフェとかも無ければ、あるのは日用品か電化製品。他に行く場所も無いなとあたしはふらっとペットショップに入る。綺麗に並んだ四角いボックスの中で沢山の犬が鳴いていて、動物の匂いがする空間で見覚えのある金髪を見つけた。床にしゃがみ込んだ彼は茶色の小さな柴犬の前で「おーい」って手を振ってる。あたしは真剣に子犬の相手をしてるツリメの背中に尋ねた。
「何て言ってる？」
後ろから突然声を掛けたからか、ビクリと肩を震わせた彼は目を丸くしてあたしを振り向いた。
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ゆき(プロフ) - 久しぶりに神作家さんみつけてとっても嬉しいです！はっぴー！連投失礼しました´`* (2019年1月11日 16時) (
レス) id: 79b287e614 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 数ページだけみてもわかるおもしろさでどんどん読み進めてしまいました！アバンティーズの会話とか、考え方とか実際言いそうだなぁと思って楽しかったです！(*^^*)とてもアバンティーズを愛してらっしゃることが伝わってきて、心が温まりました！展開もとても面白くて、 (2019年1月11日 16時) (レス) id: 79b287e614 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - らぴまる 。さん» 嬉しいです。私もコメントを見るだけで１日ずっとウキウキしてます^ ^ 毎日更新できたらいいなと思いつつも、みんなの言い回しで凄く悩んでいます。こんなこと言わなさそうだなと思ったらまた書き直す…の繰り返しです！でも楽しい！メッセージありがとうございました！ (2017年4月2日 23時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - るなさん» 今までの長編は一人をメインに書いていましたが、今回は四人もいる…(´-`)ということで誰がどのタイミングで何を言うかなぁと考えるのがちょっと大変です。ですが、何故かその中でそら君だけ無駄に使いやすいです！（笑）メッセージありがとうございました！ (2017年4月2日 23時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
らぴまる 。(プロフ) - すごく展開が気になる作品ですね！こちらの作品は1日の終わりのたのしみです！ (2017年4月1日 21時) (レス) id: 68c41e6b9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2017年3月15日 0時
