恋慕の想い ページ17
LIKEと言われればそうなのかもしれないけど、LOVEかと聞かれればそうではない。あたしは大学の食堂で声を掛けてきた空に、ふとそんなことを考えた。
彼の周りには常に人がいる。あたしにおはようとか何してるのとかご飯行こうよとか声を掛けてくれる空だけど、その隣には必ずといっていいほど女の子が居てちょっと嫌だ。彼はとても社交的だし、多分りくの友達だからっていう理由で仲良くしてくれてるんだと思うけど、この気持ちは好きとは違うのかもしれない。なんというか憧れに近いような、そんなものを感じる。
「エイジって、意外と面白いかも」
オムライスにスプーンを刺したあたしは、目の前でパスタを巻いてる空にそう言った。目をキラキラとさせた彼はその通り！みたいにあたしを指差す。
「でしょ？あいつほんとに面白いから。知れば知るほどって感じ」
「あの赤い髪、綺麗で好き」
元から赤色が好きなのかもしれない。遠くを見るようにそう言うと、空が思い出したようにあたしを見上げた。
「あ、なんかこの前美味しそうとか言ったんでしょ。エイジがなぞなぞかなってずっと考えてたよ」
「別に深い意味は無いけど、なんか果物っぽくて美味しそうな色じゃない？」
「うーん、全然分かんない」
Aってたまに変なこと言うよね、なんて出会って一週間目の空に言われた。フォークに巻いたパスタを口に放り込んだ空は、側にあったナプキンで口元を拭きながら言う。
「そういや、りっくんもちょっと変な子って言ってた」
「えー、やだ…。りくってば空にそんなこと言ってるの？」
「それ聞いてさ、俺、Aとエイジって気合うんじゃないかなと思って」
上にかかったケチャップを崩したオムライスに絡めながら、あたしは首を傾ける。
「それってどうなの」
「どうもこうも、実際こうやって仲良くしてるってことはりっくんの見解は間違ってなかったってことだよ」
「…空がそう思うならそれでいいけど」
「ま、りっくんがどうこう無しに、俺は結構Aの事好きだけどね」
おふざけ半分で、星マークがぽーんと飛んできそうなウインクをした彼の肩を咄嗟にグーで小突いた。目を丸くした空が驚いた顔のまま呟く。
「…痛い。なんで？」
「別にぃ」
彼から出る意味のない軽い言葉に惑わされてはいけない…とオムライスを口に詰め込むが、そうは言ってもやっぱり好きだなぁと彼の伏せた顔にある睫毛を眺めた。
「ねぇ、また遊びに来てよ」
空があたしを見上げる。彼を見つめ返したあたしは軽く頷いて「日曜日ね」と笑った。
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ゆき(プロフ) - 久しぶりに神作家さんみつけてとっても嬉しいです！はっぴー！連投失礼しました´`* (2019年1月11日 16時) (
レス) id: 79b287e614 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 数ページだけみてもわかるおもしろさでどんどん読み進めてしまいました！アバンティーズの会話とか、考え方とか実際言いそうだなぁと思って楽しかったです！(*^^*)とてもアバンティーズを愛してらっしゃることが伝わってきて、心が温まりました！展開もとても面白くて、 (2019年1月11日 16時) (レス) id: 79b287e614 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - らぴまる 。さん» 嬉しいです。私もコメントを見るだけで１日ずっとウキウキしてます^ ^ 毎日更新できたらいいなと思いつつも、みんなの言い回しで凄く悩んでいます。こんなこと言わなさそうだなと思ったらまた書き直す…の繰り返しです！でも楽しい！メッセージありがとうございました！ (2017年4月2日 23時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - るなさん» 今までの長編は一人をメインに書いていましたが、今回は四人もいる…(´-`)ということで誰がどのタイミングで何を言うかなぁと考えるのがちょっと大変です。ですが、何故かその中でそら君だけ無駄に使いやすいです！（笑）メッセージありがとうございました！ (2017年4月2日 23時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
らぴまる 。(プロフ) - すごく展開が気になる作品ですね！こちらの作品は1日の終わりのたのしみです！ (2017年4月1日 21時) (レス) id: 68c41e6b9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2017年3月15日 0時
