グッドウィル ページ14
side.Eiji
積極的な子、いわゆる肉食系女子は苦手だ。何故かというとバランスよく保っているはずの自分のペースを見事に狂わされるから。それにそういう子に限って大概、根は良い子ですっていうパターンもなんとなく面白くなくて気にくわなかったりするのだ。
「おかえりー！」
家に入るや否や、女の高い声と共にパーンと目の前で鳴ったクラッカーのようなものに俺はただ目を丸くした。宙を舞う白色の煙、耳の奥がキンキンしてる。散らばる紙くずの奥でこちらを覗いて、ハッとした顔をする見覚えのある女の姿。
「あ、間違えた」
「………」
「りくじゃなかった」
「…………」
気まずそうにしてる彼女の隣で、空がカメラ片手にゲラゲラ笑ってる。頭に乗った紙テープを握りつぶしながら彼を見下ろした。
「……なにこれ」
「プチドッキリでーす。びっくりした？」
「びっくりしたけど…」
「だよね！」
何がそこまで面白かったのか、笑い転げる空に向かって「嘘つかないでよ、りくじゃないじゃん」と呟く彼女…名前なんだっけこの子。思い出せずに無表情で彼女を見つめていると、俺の視線に気付いた彼女が軽く頭を下げた。
「お邪魔してます、Aです」
ああ、”A”さんだ。俺も同じように小さく会釈をする。すると彼女は俺の方を振り返り深く頭を下げた。
「この前はあたしもテンションおかしくて、失礼な態度取ってごめんなさい」
「……いや、別に。全然」
なんだか初めて会った時と随分印象が違う。顔を上げて控え目に微笑んだAさんから直ぐに視線を逸らした。部屋を見渡す限り、ツリメとりっくんは居ないし、彼等は俺が帰ってくるまでずっと二人きりだったんだと思う。いつの間に仲良くなったのやら。同じソファーに腰掛けて、先程録画していたであろう動画を見ながら馬鹿みたいに笑ってる二人を眺めた。
「いつの間にそんな仲良くなったの？」
涙目になってる空に尋ねれば、カメラから顔を上げた空。
「俺らね、今日お昼ご飯一緒に食べたんだけど、Aと俺スゲー気合うの！ね？」
「うん、ほんとにね」
大きく首を縦に振った彼女。そうなんだと思いつつも、空の社交性ってやっぱスゲェなと彼女の肩に触れる空の手を目で追った。少しばかり頰をピンクに染めるAさん。見慣れた光景に俺は掛け時計を見上げた。
「Aさん。もう七時になるけど家帰らなくて大丈夫なの？」
「あ、もうそんな時間？」
俺の言葉に時計を見て、長居しすぎたと彼女は空にカメラを渡して立ち上がった。
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ゆき(プロフ) - 久しぶりに神作家さんみつけてとっても嬉しいです！はっぴー！連投失礼しました´`* (2019年1月11日 16時) (
レス) id: 79b287e614 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 数ページだけみてもわかるおもしろさでどんどん読み進めてしまいました！アバンティーズの会話とか、考え方とか実際言いそうだなぁと思って楽しかったです！(*^^*)とてもアバンティーズを愛してらっしゃることが伝わってきて、心が温まりました！展開もとても面白くて、 (2019年1月11日 16時) (レス) id: 79b287e614 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - らぴまる 。さん» 嬉しいです。私もコメントを見るだけで１日ずっとウキウキしてます^ ^ 毎日更新できたらいいなと思いつつも、みんなの言い回しで凄く悩んでいます。こんなこと言わなさそうだなと思ったらまた書き直す…の繰り返しです！でも楽しい！メッセージありがとうございました！ (2017年4月2日 23時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - るなさん» 今までの長編は一人をメインに書いていましたが、今回は四人もいる…(´-`)ということで誰がどのタイミングで何を言うかなぁと考えるのがちょっと大変です。ですが、何故かその中でそら君だけ無駄に使いやすいです！（笑）メッセージありがとうございました！ (2017年4月2日 23時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
らぴまる 。(プロフ) - すごく展開が気になる作品ですね！こちらの作品は1日の終わりのたのしみです！ (2017年4月1日 21時) (レス) id: 68c41e6b9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2017年3月15日 0時
