子供じゃない02 ページ10
「この前も言うたもんな。あたしはいっくんとはそういう事出来んって」
プリンの表面をスプーンで突きながら、彼の顔を覗き込むようにしてそう言った。あたしから顔を逸らすいっくん。すると田中さんが驚いた様子であたし達を見る。
「いつの間にそんな話してたん？」
「割とすんで。下ネタも全然話すもん」
同意を求めるようにいっくんの肩に手を伸ばして強引に組んだ。それを不快そうな顔で見たいっくんだが、払い退けたりはしない。あたしを指差して軽く目を細める。
「知らんと思うけど、こいつ意外と口悪いで。二人の時とかやばい」
「それはいっくんもやん」
「俺はいつもこう。Aはみんなの前では猫かぶっとんねん」
「残念でした。女はみんなそうやで」
ほら、やっぱり恋愛対象に見るのとか無理。チューとか絶対出来ません、普通に笑っちゃうもん。もはやギャグ。
「あんま喧嘩すんなよ」
そう言って笑った田中さん。「ちゃうで、
「やめぇや、重いわ」
「なぁ、今日は何の香水してるん？」
少しばかり熱い体温を保っている彼の首筋に鼻を寄せた。いっくんはみんなが思ってるより案外良い匂いがする。鼻をすんすんと鳴らしながら洗剤に混じる香水の匂いを嗅いだ。「この匂い好き」そう呟きながらトイレに立った田中さんを目で追う。
「田中さんトイレ近過ぎ」
「どうでもいいけどあんま近く寄らんといて」
「え、なんでよ」
彼にそんなことを言われたのは初めてで、驚いたあたしは画面を食い入るように見ている彼へ視線をやる。
「なんでも。あかんから」
こちらを見ることも無く淡々とそう言った彼に、あたしは眉間をぴくりと動かした。なんかさっきからずっと続いてるその態度、ほんま気に食わへん。
「何があかんの。いっくんもあたしの事そういう風に見てないんやろ？」
きつい口調でその言葉を彼にぶつけた時、ふと空気がピリッとしたような気がした。
「………………」
口をつぐみ黙り込む彼を横目にあたしはプリンをひたすら口に入れる。運んで噛んで飲んで、運んで噛んで飲んでを繰り返し、口内が甘さでいっぱいになってきた時、突如何の前触れもなく彼に床へ押し倒された。
「いっ、た！」
床に押し付けられた衝撃でみしりと背骨が痛み、指からすり抜けたスプーンが金属音を立てて転がっていく。あたしに覆い被さった彼は切ない表情してる。深い青色を視界の中で揺らした彼を、あたしは嘲笑った。
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匿名(プロフ) - ゆさん» お返事遅くなりました。嬉しいコメントありがとうございます！実は私もお気に入りな、そらクイズです ^ ^ カップル設定はあまり書かないので、たまには仲良しもいいかなと思ってクイズ形式にしました（笑）また近々そらクイズかけたらな〜と妄想を膨らませています (2019年10月29日 0時) (
レス) id: ffeb5d68ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - そらクイズが好きすぎて何回も見に来てしまいます…！ (2019年2月4日 10時) (レス) id: 2e24e32ba3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 渡邊琥覇紅さん» あ、気が合いそうですね！これは少々マニアックかしら…( ﾟдﾟ)と不安だったので、凄く嬉しいです^ ^ 私もジン君はこういう事して笑ってそうと思ったので、書いてて楽しかったです。でも実際されたら速攻別れると思います！メッセージありがとうございました！ (2017年4月30日 20時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
渡邊琥覇紅(プロフ) - 匿名さん» いっくんをからかうの、凄くよかったです!!読んでて可愛いって思いましたw ジンくんの沈溺プレイ、一番好きです!ジンくんっぽいな、と思いました。更新楽しみにしてます！ (2017年4月30日 13時) (レス) id: 8dd5b17f5a (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 荒黒#*.ｍｉｔｕｋｉさん» ヒカルさんって書こう書こうと思えば思うほど出てこないのに、たまに天から脳内にエピソードが降ってくるように話を思いつくタイプの人です^ ^あと、ついつい髪の毛いじっちゃうんです（笑）個性的で似合ってますよね^ ^メッセージありがとうございました！ (2017年4月25日 17時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2017年3月1日 22時
