タラコ愛°Tetsuya ページ17
二人でベッドに寝そべって、隣で編集の作業をしている彼の横顔を眺める。タラコが二つ。
「てっちゃんってタラコ唇だよね」
ポツリと呟くように言えば、パソコンから顔を上げたてつやは不満気な表情をした。
「それ俺が気にしてるやつ」
「そうなの。ごめーん」
「…絶対悪いと思ってないやん」
正直なやつめ、なんて言いつつてつやはまた画面に視線を戻した。あたしはそんな彼の分厚い唇に指で触れ、フヨフヨとした感触に微笑む。
「柔らかい、弾力あるよね」
「…みんなそうでしょ」
「てっちゃんの唇好き」
「気が散るなぁ」
眉をひそめた彼だが、てつやは優しさの塊だから絶対にあたしを振り払ったりしない。体温のある唇に触りながら呟く。
「あたしいつもチューする時にベストな角度を考えるの」
下唇をびよーんと伸ばせば、チラリとこちら見た彼。
「…いつもって、俺とのキスに集中しようよ」
「てっちゃんの唇ってなんか気持ちいんだよね」
そう言って指の腹で唇の端をなぞれば、てつやは少しばかり照れ臭そうにして「編集中に、そういう事、言うなっ」そう言ってあたしの人差し指を開いた口でパクリと食べた。
「あーー!」
「無味」
「すぐそういうことするーー」
絶叫して指を口から引き抜き、唾液のついた指をてつやの服で拭った。
「こらこら、どこで拭いてんの」
「てっちゃん菌ついた」
酷いねと笑った彼。それを見つめたあたしはゆっくりと彼に近寄り、あたしの指を食べたその唇にキスをした。多分彼もキスするのが好きなんだと思う。その証拠に彼は離れた唇に物欲しそうな顔をする。
「あたしの指食べた悪い子、お仕置きしちゃおうかな」
「Aにならされてみたいかも」
「本当、ドMだよね」
彼の背中に腕を回す。じっとあたしを見る彼の目は、やはり少しだけ虐めがいがありそうなのだ。
「タラコかわいい」
「タラコって言うなって」
「だってタラコだもん」
「それなら喰らえ、ダブルタラコ」
必殺技みたいに唇を尖らせた彼にぶちゅーって鼻にキスされた。それに眉をひそめて笑ったあたし。
「もー、タラコで息出来ない」
「息の根止めてやろうか」
「今度明太子と並べてみようよ」
「そんなにデカくない」
眉をひそめてサッと唇を手で隠したてつや。
「なんで隠すの?」
「どうせ俺のタラコが好きなんでしょ」
「下ネタ?」
「言ってねぇわ」
「タラコも含めて全部好き」
同じように目を細めて微笑んだ可愛い彼を見て思う。明日の朝ご飯は焼きタラコにしよう。
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匿名(プロフ) - ゆさん» お返事遅くなりました。嬉しいコメントありがとうございます!実は私もお気に入りな、そらクイズです ^ ^ カップル設定はあまり書かないので、たまには仲良しもいいかなと思ってクイズ形式にしました(笑)また近々そらクイズかけたらな〜と妄想を膨らませています (2019年10月29日 0時) (レス) id: ffeb5d68ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - そらクイズが好きすぎて何回も見に来てしまいます…! (2019年2月4日 10時) (レス) id: 2e24e32ba3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 渡邊琥覇紅さん» あ、気が合いそうですね!これは少々マニアックかしら…( ゚д゚)と不安だったので、凄く嬉しいです^ ^ 私もジン君はこういう事して笑ってそうと思ったので、書いてて楽しかったです。でも実際されたら速攻別れると思います!メッセージありがとうございました! (2017年4月30日 20時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
渡邊琥覇紅(プロフ) - 匿名さん» いっくんをからかうの、凄くよかったです!!読んでて可愛いって思いましたw ジンくんの沈溺プレイ、一番好きです!ジンくんっぽいな、と思いました。更新楽しみにしてます! (2017年4月30日 13時) (レス) id: 8dd5b17f5a (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 荒黒#*.mitukiさん» ヒカルさんって書こう書こうと思えば思うほど出てこないのに、たまに天から脳内にエピソードが降ってくるように話を思いつくタイプの人です^ ^あと、ついつい髪の毛いじっちゃうんです(笑)個性的で似合ってますよね^ ^メッセージありがとうございました! (2017年4月25日 17時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名 | 作成日時:2017年3月1日 22時