てつや、焦燥 ページ4
学校を終えてしばゆーとオンラインでゲームをしていた時、ソファーに置いていたスマホが鳴った。テレビ画面からチラリと端末に視線を落とし、内容を流すように読んだ俺は「えっ」と拍子抜けした声を上げる。
『なに？死んだ？』
テレビ画面の向こう側、通話で繋がっているしばゆーが急かすように聞いてきたが、LINEのメッセージを二度三度と読む俺にその声は届かない。
『てつや？』
『今どこにいる？』
『答えて』
ゲーム上での俺の位置確認をしてくるしばゆー。俺が操作するキャラクターは道の真ん中でポツリと停止している。同じようにメッセージを飲み込んだ俺の思考も停止していた。
A河川敷にいるから会いにきてよ
Aから送信されたのは、恋愛ソングの歌詞の一部を送ってきたのかと思うほどのシンプルな文章で、パンチの効いた一言でもあった。ていうかなんで俺？なんで河川敷？こんな時間に？なんでなんでの渦に飲まれそうになった時、バンと音がして自分が選んだキャラクターが画面上で倒れているのが見えた。直ぐにテレビから視線を逸らす。
河川敷?
しばゆーが何やら騒いでいる声をBGMに、俺はすぐに彼女へ返事をした。もしかしたら何かあったのかもと焦って、思いつく限りのメッセージを送り付ける。
『何してんの。負けたんだけど』
しばゆーの不服そうな声がしたかと思うと、いつの間にやらゲームはスタート画面に戻っていた。
「ちょっとLINEが」
『後ででいいやん』
「いや…」
『誰から？』
「……A」
『あぁ、りょうの彼女ね』
みんないつの間に交換してるんだとしばゆーは不思議そうに言ったが「次行っていい？」と、もはや興味無さげに次の対戦の準備を完了させている。スマホから顔を上げた俺はコントローラーを床に置いて立ち上がった。
「ごめん。急だけどやめるわ」
『は？』
「ちょっと行ってくる」
『何急に、どこ行くの』
「河川敷」
『こわっ』
呆れた声を上げたしばゆーは、もはや話について来れないのか来る気もないのか、理由すら聞いてこない。ゲームの画面を消した俺は忙しなく部屋を出て、しばゆーとの通話も切った。
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あおい(プロフ) - 一気見してしまいました！続きが気になります…！ (7月29日 19時) (
レス) id: 5d8097aa88 (このIDを非表示/違反報告)
こなん - 1番好きな雰囲気のストーリー！続きも楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2022年10月20日 15時) (レス) @page14 id: d5939a1a6f (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - 面白くて切なくて最高です！続き楽しみに待ってます！頑張ってください^_^ (2022年8月15日 15時) (レス) @page14 id: 85ad4508c6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - くぅかなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただきとても嬉しいです。甘酸っぱい学園青春ストーリー！…みたいなのを考えていましたが、昼ドラのような雰囲気になりそうな気配を見せていますね。これからどうなるのか最後まで見守っていただければと思います！ (2022年7月7日 9時) (レス) id: c0fa65fbb4 (このIDを非表示/違反報告)
くぅかな(プロフ) - やばい！一気読みしてしまった！続き待ってます！ (2022年7月3日 9時) (レス) id: c4e0c26ecd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2022年4月16日 11時
