星空 ページ4
※※
こちらはクリスマスはキミといたいの分岐小説になります。本編の分岐から飛んで楽しむ作品になっておりますので、未読の方は上のリンク(タイトルをクリック)に飛んでから是非こちらに。
*
盛り上がったクリスマスパーティーもテンションが落ち着き、みんながお酒に飲まれてウトウトし出した頃、いつのまにやら部屋の隅に放置されていたトナカイの着ぐるみ。茶色のそれを床にほったらかした犯人が、玄関先で一服していることをあたしは知っている。
「ひゅうが」
マンションを出たすぐのエントランスに座り、煙草を咥えている彼の背中に声をかけた。
「トナカイやめたの？」
「脱皮した」
声であたしだと分かったのか、それともスマホに夢中なのか、こちらを見ずにそう言った彼。
「トナカイは脱皮しないと思う」
「もう俺は人間に戻ったの」
「まだクリスマス終わってないのに」
「あれ動きにくいんだもん」
「そもそもトナカイは喋れないよ」
「……その設定ダルいな」
呟いた彼の口から白い息が出た。それが煙草の煙なのか、寒さのせいで呼吸が白い湯気になったのかは分からない。夜の冷たい空気にあたしは肩を震わせ、ひゅうがの近くに座った。
「外寒いね」
「うん」
「パーティー楽しかったね」
「うん。楽しかった」
「…………」
話したくても会話が盛り上がらない。何を話せばいいのか分からないと、途方に暮れるあたしは空を見上げる。
「…星あんまり見えないね」
「都内はビルが多くて明るいし見えないよ」
上を向いて星を探すあたしとは正反対に、仕事の連絡をしているのかひゅうがは俯いてスマホを見ながら答えた。
「いっぱいの星、見てみたいなぁ…」
「いいね」
「ひゅうがは？」
「見てみたいよ」
「星好きなの？」
「んー、普通」
「…………」
まるでロボットと話しているみたいだ。あまりの冷えに小さく縮こまっていたあたしは一際大きく体を震わせる。
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名無し85578号(プロフ) - どばししょうのお話好きすぎます（т-т）そもそも書く人が少ないのですごい嬉しいです（т-т） (4月21日 3時) (
レス) id: cb5a427560 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - りを。さん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。としみつくんにはお話の中でギターを持たせがちな私ですが、音楽以外のお話も面白そうですよね…！色々考えてみます^ ^ また是非覗きにきてくださいね！ (2022年1月10日 1時) (レス) id: c0fa65fbb4 (このIDを非表示/違反報告)
りを。 - とっても面白いです♪ としみつのお話もっとみたいです！！ (2022年1月7日 18時) (レス) id: b34e0ddef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2021年12月25日 23時
