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「それ言うなら俺もAが大学の単位ヤバい時に代わったし、制服丸々貸したことあるし、なんなら課題だって手伝ってるしな」
「なんか恩着せがましいなぁ」
「マジでムカつく…」
わざとらしく言ったあたしにやまとくんは呆れたように呟いた。彼が挑発に乗ると引くのがいつもの流れで、こんな下らないやり取りが割と楽しくて気に入っていたりもする。
「新たな恋が始まるかもしれないんだよ？」
「始まってもどうせすぐ終わる」
「気になってるくせに」
「気にならない。どうせ俺の方がイケメンで頭良くて背高いし」
「まぁ、それは言えてるかもね」
乗ってきたあたしの言葉に一瞬目を丸くした彼だけど、"またいつものやつか"みたいな顔をする。そして話しながらも調理した料理達をカウンターに並べる。
「はいはい、手空いてる暇な人達ドリンクと料理持っていって」
反応がないとつまらないなと、皿とグラスを鷲掴んだあたし。数枚の伝票を確認して、さっき連絡先を聞いてきたお客さんのところかと厨房を出ようとすると、咄嗟にやまとくんが引き止めてくる。
「なんでそっち持ってくの。Aは違う卓のやつ行けって」
「今これしか持って行くのないよ」
「じゃあ話しかけられても注文以外は無視しろよ」
「それは無理だ」
他のバイトの子達とケラケラ笑いながら、先程のお客さんのところに料理を持って向かう。きっとあたしは何やかんやでやまとくんに構ってもらいたいんだろうなぁなんて、自分の振る舞いを客観視しながらも個室の戸を叩いた。
「失礼します」
何やら盛り上がっていた室内は、彼等の吸うタバコの煙で充満している。反射で顔を顰めそうになるも、笑顔を保ったまま机にグラスを並べた。
「あ、Aちゃん来た」
どうやら名札を見て覚えたらしい。三人の中の一人があたしの名前を呼んできた。
「Aちゃんって何歳なの」
「学生です」
「じゃあもうすぐバイトあがるでしょ？俺らと一緒に飯食おうよ。何食べたい？」
「今日のおすすめはサーモンの味噌バターホイル焼きですよ。是非食べてみて下さいね」
「連絡先教えてくれたら頼んでもいいよ」
なんとも返答しづらい台詞に苦笑いを返すと、何が面白いのか顔を見合わせて下品に笑った彼等に、先程のやまとくんの言葉を反芻させる。遊びでもイケメンだから良いって、少し違うかも。
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名無し85578号(プロフ) - どばししょうのお話好きすぎます（т-т）そもそも書く人が少ないのですごい嬉しいです（т-т） (4月21日 3時) (
レス) id: cb5a427560 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - りを。さん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。としみつくんにはお話の中でギターを持たせがちな私ですが、音楽以外のお話も面白そうですよね…！色々考えてみます^ ^ また是非覗きにきてくださいね！ (2022年1月10日 1時) (レス) id: c0fa65fbb4 (このIDを非表示/違反報告)
りを。 - とっても面白いです♪ としみつのお話もっとみたいです！！ (2022年1月7日 18時) (レス) id: b34e0ddef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2021年12月25日 23時
